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2016年10月14日(金)

主張

熊本地震6カ月

住まいの再建はいよいよ切実

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 熊本県と大分県を中心にした九州地方の地震災害で、最初の大きな揺れが発生してから、きょうで6カ月です。震度7という阪神・淡路大震災級の激しい揺れに2度も見舞われた被災地では、倒壊した家屋が手つかずで残されたままのところも目立つなど、状況は深刻です。住宅と生業(なりわい)を再建する見通しがたたない被災者は、不安といら立ちを募らせています。体に感じる揺れはなかなか終息せず、長期化する避難生活で疲弊する被災者の健康悪化の広がりも懸念されます。被災者の切実な願いに応え、実情に見合った国や自治体の支援を強めることが重要です。

震災関連死が半数超える

 4月14日夜にマグニチュード6・5、16日未明にマグニチュード7・3と立て続けに起きた大地震は、熊本県内だけでも約17万棟の住宅を損壊させ、橋の崩落、道路の寸断など広範囲に被害を与えました。家の下敷きなどで直接命を奪われた人は50人、重軽傷者は約2500人となりました。

 人的被害はそれにとどまりません。地震によるけがの悪化や心身の負担による病気などが原因で亡くなった「震災関連死」は市町村が認めただけでも55人に達し、直接死を上回りました。揺れが連続したため怖くて屋内にいられず「車中泊」を強いられ、健康破壊を引き起こしたケースが少なくないとされています。

 地震直後の6月の大雨による土砂災害では熊本県内で5人が命を落としています。地震による地盤の緩みなどがもたらした「二次被害」ともいえます。未曽有の地震災害でせっかく助かった命が、体制の不備や対応の遅れで失われることはあってはなりません。

 被災者の切実な願いは、住まいの再建に対する公的支援の抜本的強化です。被害を受けた住宅約17万棟のうち、約13万棟は「一部損壊」という判定です。現行の「被災者生活再建支援法」では、公費支援の対象は「大規模半壊」以上で、熊本の住宅被害のほとんどは対象になりません。しかし、「一部損壊」といっても、屋根の激しい損傷で室内が水浸しになるなど損壊が激しい住居も多く、修復には数百万円かかる場合もあります。公費支援の対象を広げて、実態を合わせた支援を可能にすることが必要です。

 支援額を300万円から500万円に引き上げることと合わせ、制度の改正に踏み込むべきです。倒壊家屋やがれきの撤去がすすむよう手だてを尽くすことも求められます。住まい再建の支援の拡充は、被災者の定住の促進につながり、地域全体の復興・再生にとっても不可欠です。

 仮設住宅の入居が本格化する中、被災者と周囲とのつながりが薄れ、孤立化することも心配されます。被災者の命と健康を守る仕組みを総点検し、きめ細かな対策を講じることが急がれます。

生活と生業取り戻すまで

 先週の阿蘇山の中岳で発生した爆発的噴火がもたらした火山灰や噴石による農業被害、観光業への影響などに被災地は新たな不安と懸念を強めています。噴火による被害の救済・支援と同時に、地震で打撃を受けている農業や産業、雇用などにたいする支援の強化がますます重要となっています。

 困難を抱える被災者が、もとの生活と生業を取り戻せるよう、政治が責任を果たすべきです。


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