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2016年10月2日(日)

きょうの潮流

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 朝露にぬれる薄紅のコスモス。どこからかキンモクセイの芳香が漂ってきます。雨雲のなか、近所を歩いて見つけた小さな秋です。〈金木犀こぼれたまりて雨止みぬ〉(久保より江)▼夏の終わりからの雨天つづき。季節の変わり目はあやふやなまま、秋が深まっていきます。木々の色合いも緑から黄や赤みを帯びてきました。地球規模で天が荒れ乱れるいま、なおさら四季を感じさせるものがいとおしく思えます▼今年も10月に入り、あと3カ月。衣替えも慌ただしく、入り乱れる寒暖にどこか気分も落ち着きません。北海道の旭岳ではすでに初冠雪を観測し、短い秋を追いかけるように冬の足音が迫ってきています▼秋といえば行楽や紅葉をはじめ、食欲やスポーツ、読書や芸術という言葉がつづきます。暑い日常がすぎて人間の活動が活発になる時期です。一方で古くから「もののあはれは秋こそまされ」といわれてきたように自然や物事に情趣深く思いをはせる時も▼実りの秋も、そこに至るまでの苦労があればこそ。人の世も同じで、今の社会にも先人たちの努力でつくりあげてきた財産があります。それを乱暴に壊そうとする者は「もののあはれ」とは無関係の自分だけの世界に浸っているのでしょう▼世間を騒がす日々の出来事をその本質まで掘り下げ、じっくりと考えをめぐらせるにはぴったりの季節です。人の心を揺さぶる秋。きっとそれは、豊かな人生を味わえる社会をつくっていく次のたたかいへのエネルギーとなるはずです。


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