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2016年9月27日(火)

シンガポール・マレーシア 日本軍戦争跡をたどる(下)

中高生たちと追悼式

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(写真)追悼式の後に生徒たちに囲まれて撮影に応じる高嶋氏(前列中央)=8月15日、マレーシア

 マレーシアの首都クアラルンプールでは、毎年8月15日に王宮(イスタナ)近くの義山で、華人の団体・中華大会堂の実行委員会が主催する追悼式典が開かれています。

「自分たちで来た」

 中学校や高校の生徒たち数十人も教師と参加していました。「先生にいわれてきたのですか」と聞くと、「いえ、自分たちで来ました」と声をそろえました。

 今回もツアー参加者は二つの碑の前での追悼に参加しました。

 一つは、「中華民国男女僑胞惨死墳」で、戦時中に刑務所で亡くなった人、抗日軍や虐殺の死者などを埋葬したところです。戦後になって日本軍の蛮行を見ていた人が遺体を掘り出して改めて埋葬しなおし、墓をたてたといいます。掘り出された頭蓋骨は1100人に及んだといいます。

 もう一つは、「華僑機工回国抗戦殉難紀念碑」です。日中戦争が始まると日本の侵略とたたかう中国の政権を援助するために、山深い雲南省のルートを使ってトラックで兵器や物資の輸送を行った運転手や整備工を顕彰する碑です。

 追悼式にはだれでも参加できます。主催者あいさつをした中華大会堂の主席、イギリスとフランス両大使館の武官、日本大使館から1等書記官などが参加しました。日本大使館からは数年前からの参加だといいます。

 式の中で16歳の女子高校生がりんとした声で追悼の言葉をのべ、高校生の男女がトランペットで追悼の曲を演奏。生徒全員がキクを献花しました。

「歴史を学びたい」

 式典が終わって高校生に感想を聞くと―。

 「この碑を建てて先祖の人たちの権威を伝えているのだと思う。そういう過去の歴史を学んでいきたい」(女子)

 「抗日の人たちがいたから今の自分たちがいる。その犠牲がなければ、私たちは生まれていない。自分は抗日の人たちに敬意を持っています」(男子)

 「初めて参加したのですが特別な感じがした。歴史的なことを感じた。国家の組織がやったことなので、マレーシアは(日本人を)許すべきです」(男子)

 式の後、中華大会堂関係者との懇談で、高嶋琉球大名誉教授はツアー参加者の思いとして「安倍政権がやっていることを東南アジアのみなさんがたいへん心配していることを聞きました。このツアーの報告書を仕上げて普及し日本人にそうしたことを知らせたい。これからは若者の交流が大事です。大学生などを誘って交流もつよめていきたい」と語りました。(おわり)


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