2016年9月19日(月)
第41期囲碁新人王戦 しんぶん赤旗主催
フレッシュ 東西対決
22日から 決勝三番勝負
関西棋院の谷口徹二段(20)と日本棋院の大西竜平二段(16)の“東西対決”となった第41期囲碁新人王戦(しんぶん赤旗主催)の決勝三番勝負が22日(木)から始まります。両者は公式戦では初対局。一流棋士への登竜門、新人王戦らしいフレッシュな対戦に期待が集まっています。
出せる実力ぶつける
|
谷口二段は関西棋院11人目の決勝進出。これまで3人が優勝しています。ファンからも「新人王をとって」と期待が寄せられており、「チャンスをつかみたい」。
1回戦、姚智騰三段に勝って勢いに乗りました。準決勝で日本棋院のエース、孫普iまこと)四段を破って三番勝負の切符を手に入れました。
9月に入って、非公式戦ながら第3回囲碁ユース選手権では第39期新人王の一力遼七段を破ってベスト4に進出しました。
今年はこれまで13勝7敗。
「決勝までこられたのは運に助けられています。相手の大西君はまだ16歳なのに総合的に見て僕の方が劣っています。出せる実力は全部ぶつけたい」
たにぐち・とおる 1996年5月15日生まれ。兵庫県出身。森山直棋九段門下。2011年9月入段、14年9月二段昇段。07年、小学5年で第28回少年少女囲碁大会全国大会優勝(小学生名人)。
家族やファンも期待
|
大西二段はプロ入り2年目、新人王戦初出場で決勝進出を果たしました。16歳での決勝進出は依田紀基四段、井山裕太四段(段位はいずれも当時)以来、3人目。三番勝負を制すれば、一力七段が更新した最年少記録(17歳3カ月)をさらに塗り替えることになります。
今年は10連勝を含め28勝8敗の好成績です。白星の中には小林光一名誉棋聖、大竹英雄名誉碁聖の名も。連敗して調子を崩すことがなく、安定した力を発揮しています。
新人王戦は2回戦の田中伸幸二段戦で逆転勝ちしてから「優勝を意識し始めた」と振り返ります。「家族やファンが期待してくれる、ぼくにとって特別な棋戦です。ここまできたからには優勝したい」と決意を語りました。
おおにし・りゅうへい 2000年3月14日生まれ。東京都出身。15年4月入段、16年6月二段に昇段。11年、小学6年で第32回少年少女囲碁大会全国大会優勝(小学生名人)。
観戦記者の見どころは
決勝三番勝負の観戦記者2人に対局の見どころを聞きました。
好勝負を期待
入段2年目の新鋭が勝ち上がってきた。日本棋院東京本院所属の大西竜平二段は次代のエースとの呼び声も高い逸材だ。
対する関西棋院所属の谷口徹二段は、全国的な知名度はまだ低いが、関西では既に高い評価を得ている俊英だ。若さに似合わぬ冷静さを武器に、同棋院所属棋士としては村川大介八段以来5年ぶりの新人王を目指す。
両者は初対戦。予想は困難を極めるが、若さあふれる好勝負を期待したい。(大野鉄平)
楽しみな決勝
今期の決勝は本当に楽しみな組み合わせとなった。関西棋院の谷口徹二段と日本棋院の大西竜平二段は、東西の有望株同士だ。
大西二段は小学生のころ、韓国へ囲碁留学し当地の道場で修行した異色の経歴を持つ。抜群の環境でもまれてきた自信とたくましさがある。
読みに自信があってたたかいに強く筋に明るい。本格派で力強いタイプの谷口二段とは、中盤での激しいたたかいが見どころとなりそうだ。(関根新吾)
新人王戦と若手の活躍
囲碁界の大きな話題はなんといっても井山裕太九段の七大タイトル(棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段)の同時達成です。いま新たに注目されているのが、若手棋士の活躍です。
一力遼七段(19)が2日、山下敬吾九段を破って、天元への挑戦権を獲得。8日には関西棋院の余正麒七段(21)が高尾紳路九段に勝って、王座への挑戦者に決まりました。
2人とも新人王戦でも活躍した若手新鋭です。一力七段が2014年の第39期で優勝したのは記憶に新しい。余七段はその前年、第38期で準優勝しました。独占状態にある井山七冠のタイトルの一角を崩せるか!
昨年優勝の許家元四段も、一力七段、余七段らとチームを組んで参加した中国国内のリーグ戦では丙級から乙級への昇級を決めました。許四段は7戦全勝で日本チームに大きく貢献したのです。
彼らにつづく新人王を決めるのが第41期決勝三番勝負です。
日程
第1局 9月22日(木・祝) 大阪・関西棋院
午前10時〜 立会人 石井新蔵九段
第2局 9月30日(金) 東京・日本棋院本院
午前10時〜 立会人 小松英樹九段
第3局 10月6日(木) 大阪・関西棋院
午前10時〜 立会人 山ア吉廣九段
|