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2016年9月4日(日)

きょうの潮流

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 鉄腕アトムやガンダム…。ロボットたちがたたかうアニメの世界が、現実のものになるのでしょうか▼防衛省が先月末、将来の軍事技術に関する戦略文書を公表しました。列挙している技術の中で際立っているのは、ロボットを含む無人技術の活用や、自衛隊員がロボットのようになる個人装備技術です▼戦争は多くの人命を奪い、甚大な苦痛を伴う行為です。戦争遂行者にとって理想的なのは、自らの犠牲を極小化し、相手に最大限の打撃を与えること。その役割を負うのが無人技術です。防衛省は「災害対処のため」としていますが、転用は簡単です▼“先進例”は米軍の無人攻撃機です。ブッシュ米政権が始めた対テロ戦争で数千人の戦死者を出して厭戦(えんせん)気分が漂う中、後継のオバマ政権は無人攻撃機を多用。上空から標的をつけ回し、空対地ミサイルで攻撃するのです。操縦士は米本土にいるため、撃ち落とされても人的被害はありません▼その一方、多くの誤爆を繰り返しており、パキスタンだけでも1000人近い民間人が殺されています。米国も日本も、これら先進技術の導入の口実として中国やロシアの存在をあげますが、現実には中東などの紛争地域で、罪なき人たちを殺傷する蓋然(がいぜん)性が高い▼さらに恐ろしいのは、軍事用人工知能(AI)です。究極的には、ロボットが自律的に判断し攻撃を加える道につながります。科学技術は何のために存在するのか。根源的に問い直し、軍事に従属させないために声をあげる時期に来ています。


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