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2016年8月29日(月)

英労働党首選 激論

EU離脱 核政策

現職コービン氏 優勢

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 英国最大野党・労働党の党首選で、コービン党首(67)とスミス下院議員(46)の一騎打ちが続いています。同党議員多数派の支持を得るスミス氏に対し、一般党員・支持者の圧倒的人気を誇る党内最左派のコービン氏が優勢を維持。英国の欧州連合(EU)離脱や核政策をめぐり、激しい論争となっています。(島崎桂)


議員団が不信任

 今月22日には、投票権を持つ党議員や党員、支持者への投票用紙が配布され、投票期間が開始しました。投票は9月21日に締め切られ、同24日に結果発表の予定です。

 今回の党首選は、英国のEU離脱の是非を問う国民投票で深まった党内対立がきっかけです。同党は投票キャンペーンでEU残留を支持しましたが、同党議員は結果判明後、「(かねてからEUに懐疑的だった)コービン氏は残留運動に積極的ではなかった」と批判。党下院議員団は6月末、コービン氏の不信任動議を賛成172、反対40で可決しました。

 昨年9月の党首選で圧勝したコービン氏は一般党員らの根強い支持を根拠に辞任を拒否。議員団側は、コービン氏では「選挙に勝てない」として臨時党首選に踏み切りました。

 党首選の主要争点の一つは、EU離脱への対応です。

 25日に両候補が出席した北部グラスゴーでの討論会でコービン氏は、国民投票の結果を尊重する姿勢を改めて表明。「離脱交渉で妥結すれば、欧州との効果的な経済関係が生まれる」との見方を示しました。

 対するスミス氏は、EU離脱で労働者の権利が縮小するとの立場から、「なぜ英国の労働者の権利を売り飛ばすEU離脱を許せるのか」と反論しました。同氏は離脱交渉後に再度の国民投票実施を求めるとしています。

 核政策では、反核論者のコービン氏が英国単独での核兵器廃絶を求めているのに対し、スミス氏はすべての核保有国の合意に基づく核廃絶を主張しています。北大西洋条約機構(NATO)を通じた集団的自衛権では、行使容認のスミス氏に対し、コービン氏は反対。過激組織ISをめぐっては、ISとの交渉を容認するスミス氏に対し、コービン氏は否定的です。

格差是正は共通

 一方で両氏は、公的医療の拡充や経済格差の是正、富裕層への課税強化といった課題では共通の立場をとっています。

 7月末に労働党支持層を対象に行った世論調査では、54%がコービン氏を支持。22%が支持したスミス氏を大きく引き離しました。こうした傾向は現在も続いており、すでに党首選での推薦者を決めた党支部の大多数に加え、複数の労働組合もコービン氏支持を決めています。

 ただ、コービン氏が再任を決めても党議員団との対立は解消せず、当面は厳しい党運営が続くとみられます。


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