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2016年8月28日(日)

きょうの潮流

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 「原爆が奪った未完の大女優」とよばれた人がいます。宝塚歌劇団の出身者のなかでただ一人、郷土の岩手にブロンズ像のある園井恵子です▼終戦から50年目に顕彰する会ができ、翌年に岩手町に像が建立されました。碑文には「戦争のない平和の世界の実現、文化の興隆、人間の尊厳が守り貫かれることを祈念し」とあります▼戦前の宝塚で活躍した園井は、映画「無法松の一生」(1943年)で吉岡大尉夫人を演じ、当時の国民の心をつかみました。その後、慰問の移動演劇「さくら隊」の一員となり、1945年8月6日の誕生日に広島の宿で被爆。急性放射線障害で体調が急変し、21日に32歳で亡くなりました▼岩手革新懇のニュース7・8月号が座談会で、地元で園井恵子を語り継ぐ活動を紹介しています。ブロンズ像を提案した語り継ぐ会の柴田和子さんは、出前講座で子どもたちにこう伝えています。「夢を持つことが大事。行動する勇気も大事。でも戦争や原爆はそれらが全部なくなっちゃうんだよ」▼ことし、盛岡と東京で園井を主人公にした「残花」(詩森ろば作)が上演されたことも紹介。震災現場を見て広島のガレキを想像し、つくったそうです。藤倉了介民青県委員長も、被爆者の体験談から悲惨さを想像し、「震災復興も平和でこそ」と活動の原点を明かしています▼碑文を書いたのは、園井の小学校の同級生(故人)で、当時県反核医師の会の役員でした。その思いを引き継ぎ、今に生かした活動が息づいています。


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