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2016年8月27日(土)

きょうの潮流

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 「障害者なんていなくなればいい」「社会のため」と、今も呪詛(じゅそ)のようにくり返しているといいます。反省や謝罪どころか、血も凍る惨劇をあくまで正当化する容疑者におののきます▼相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人の入所者の命が奪われ、職員を含む27人が重軽傷を負った事件から1カ月。緑濃い山あいの現場にはいまだ警官が立ち、ものものしい雰囲気が漂っています▼園の献花台には花を手向ける人が次々に。障害者団体の役員で自身も障害がある女性は心の整理がつかないままだといいます。「恐怖や不安が消えない。障害があることにたいする社会の見方を変えなければいけないと強く感じる」▼介護福祉士の男性は日本の社会の根底に“障害=不幸”という間違った考え方があると。「私たちは障害者からたくさんの幸せをもらっている。その光の部分を見ないで、『不幸』だけを積み重ねてしまった末の事件だと思う」▼人の命に価値をつける優生思想。それは独裁国家によって政策となり、人種の優劣、兵隊や労働力として役に立たない者の大量虐殺につながった歴史があります。人類の進歩とともに徐々に克服されてきたとはいえ、格差や差別を助長する土壌の中で頭をもたげてきます▼先日も視覚障害者が駅のホームから転落して亡くなる事故が起きました。障害者を置き去りにする社会。「優生」は「劣死」と表裏一体です。殺された19人にはそれぞれの顔があったはず。存在に値しない命などありません。


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