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2016年8月25日(木)

主張

介護利用2割負担

安心の土台がますます壊れる

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 2018年度からの介護保険制度改変を検討している厚生労働省が、介護サービス利用料の2割負担の対象にする利用者拡大の方針を同省の審議会に示しました。介護保険は2000年の制度発足以来、利用料は1割負担が続いてきましたが、昨年8月から一定所得以上の利用者に2割負担を求める仕組みが導入され、負担が跳ね上がった利用者の怒りを広げています。そのさなかに2割負担の対象をさらに広げることを提案した厚労省の姿勢は、あまりに暮らしの実態を無視しています。

手あたり次第に容赦なく

 18年度の介護保険改変に向け、すでに厚労省は「要介護1、2」の生活援助、福祉用具貸与などを保険給付から除外するサービス利用の制限案を提示しています。

 今回の負担増は、それと一体での実施を狙ったものです。厚労省が19日の審議会に示した資料には、2割負担の対象拡大だけでなく、利用料の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分を払い戻す制度の上限を引き上げる負担増案なども列挙されており、文字通り手あたり次第のやり方です。

 2割負担の対象者をどこまで拡大するか厚労省はまだ具体的に示していません。しかし、介護給付費など社会保障費の削減・抑制を求める財務省の財政制度等審議会は、まず65〜74歳を2割負担にし、その後75歳以上に拡大することを要求しており、「原則2割」へ道が開かれる危険が極めて濃厚です。

 昨年8月から次々と実行されている負担増は深刻な影響を広げています。一定所得以上の人の2割負担だけでなく、特別養護老人ホームなどの入所者の食費・居住費補助対象者を、あわせて縮減したため、「どんどん負担が増え、生活が成り立たなくなる」「介護を続ける気力が失われる」と家族から悲痛な叫びが相次いでいます。サービス利用をあきらめたり、中断せざるをえなくなったりした人も生まれています。

 厚労省は一定所得以上の人に2割負担を求めるための「医療・介護総合法」案の審議の際(14年)、“負担が増えるのは余裕のある世帯”と説明し、そのためにデータを都合よく書き換えていたことが日本共産党の追及で発覚し、きびしい批判を浴びました。2割負担によって利用者や家族が苦しめられている事実は、厚労省のやり方が、きわめて悪質で、容赦のないものであったかを示しています。

 そのことに無反省のまま、次から次へと負担増を強いる安倍政権のやり方は、異常というほかありません。新たな負担増はやめるとともに、すでに実施されている負担増は中止・撤回すべきです。

 利用者や家族に苦難と犠牲を強いる安倍晋三政権の介護保険改悪を中止させることが重要です。

暮らし守れの声を大きく

 負担増は介護保険だけではありません。医療費の自己負担でも70〜74歳の原則2割負担化に続き、75歳以上でも2割負担の導入を検討しています。75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の保険料減免措置も来年度から縮減する方針です。まるで長生きが“罪”かのような負担増と改悪の連続です。

 高齢者が大切にされない仕組みは、現役世代の安心も保障されません。安倍政権の社会保障破壊をストップさせるため、暮らしを守れの声を広げることが必要です。


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