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2016年8月23日(火)

主張

リオ五輪閉幕

発揮されたアスリートの信念

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 連日の熱戦が続いた、南米大陸初めてのリオデジャネイロ・オリンピックが無事に閉幕しました。

人間の可能性開く姿感動

 これまでで最多となる41個のメダルを獲得した日本選手の活躍は見事でした。絶妙なバトンタッチで銀メダルに輝いた男子400メートルリレー、最後まであきらめず大逆転劇で勝利をつかんだ女子のバドミントンやレスリング、男女の卓球、ベテランとホープとのチーム力を発揮した体操や競泳、柔道など、多くの人たちに熱く深い感動を呼びました。

 オリンピックの女子で初めて4連覇という偉業を成し遂げた女子レスリングの伊調馨選手は、その道のりを、自著でこう述べています。「自分を改良していくのは楽しい。無限にある。自分を変えていくこと自体を楽しんでいる」。(『一日一日、強くなる』)

 世界の競技者からも力強いメッセージをもらった大会でした。“超人”ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)は、「私はいつも挑戦してきた。立ち向かい、なすべきことをして人びとを誘発し、元気を与えられてうれしい」と、人間の可能性を切り開くアスリートの信念を語っています。

 陸上競技女子5000メートル予選では、転倒した米国とニュージーランドの2選手が助け合い、励まし合ってゴールする場面がありました。勝敗にこだわる風潮が強いなかで、ライバルをリスペクト(尊敬)する光景は胸を打つものがあり、スポーツが人間的な営みであることを示してくれました。

 こうしたアスリートの信念と精神の発露は、オリンピックのモットーである「大事なことは勝つことではなく、いかに参加したかにある」を想起させ、ドーピング(禁止薬物使用)など不正行為に走るメダル至上主義を乗り越える大切さを提起したと言えるでしょう。

 ドーピング排除のたたかいが、リオ五輪から本格化し、前進的な動きになっています。まだ、選手の救済措置や競技ごとの判定の順守と徹底は今後の課題に残っているだけに、この大会を機に選手の生命と人権を守り、スポーツの世界から不正行為をなくしていくために毅然と立ち向かっていくことを重ねて期待します。

 国際オリンピック委員会(IOC)が難民選手10人を救済する参加措置を講じたことは、一つの試みとして注目されました。選手たちが「次は母国の選手として出場したい」と願っているように、スポーツでの工夫と努力が貧困と飢餓、民族同士の対立や政情不安という根本問題を打開していくことに結びつくよう希望するばかりです。

新興国などへの励ましに

 経済的困難や治安問題を抱えながらも、南米初の勇気ある試みとしてのリオ五輪が中南米やアフリカ、中央アジアなど新興の国々を励ましたことは、メダル獲得国・地域が過去最多の87にのぼったことにも反映しています。南太平洋の小さな島国フィジー共和国は新採用の7人制ラグビーで優勝し、これを祝って「国民の祝日」になったのもうれしいニュースです。

 リオデジャネイロでは引き続き9月7日からパラリンピックが始まります。この大会も平和と友好の舞台となり、世界の競技者が障害を超えて新たな可能性を開く主人公となって躍動してほしいと思います。


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