「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年8月23日(火)

平和の夢舞台閉幕 リオから東京へ

パラリンピック 来月7日に開幕

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【リオデジャネイロ=五輪取材団】南米で初めて開催された第31回夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会は21日夜(日本時間22日午前)、リオ市内のマラカナン競技場で閉会式が行われ、17日間にわたったスポーツの祭典が閉幕しました。前回のロンドン大会を上回る史上最多の205カ国・地域から1万人を超える選手が参加し、28競技306種目で熱戦を繰り広げました。

 国ぐるみのドーピングが発覚したロシアの参加問題に揺れ、世界中で頻発するテロが懸念されましたが、大きな混乱はありませんでした。

 閉会式で国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は「困難な状況にもかかわらず、一体となって世界を楽しませてくれた」と、大会の成功を称賛して閉会を宣言。若者たちに4年後の東京での再会を呼び掛けました。

 リオ・パラリンピック大会は来月7日に開幕し、18日まで開催されます。

 次回の2020年東京五輪・パラリンピックは、7月24日に開幕し、新たに野球・ソフトボール、空手など5競技18種目が追加されます。


敬意と寛容のバトン 受け継ごう

 開会式で史上最多205カ国・地域の選手がまいた種は、閉会式で豊かな色彩を帯びた花と緑の楽園となり、巨木となって現れました。その光景が、IOCのトーマス・バッハ会長の演説と重なりました。

 バッハ会長は「多様性の中でまとまった時、私たちは強くなる」と訴えました。異なる価値観を認めない偏狭な思想が市民社会を脅かすなか、国籍も人種も違う者たちが夢舞台で交流し、友情を深めました。そこでは他者を尊重し、障壁を取り払う理性が発揮されました。

 陸上女子5000メートル予選。転倒の不運に見舞われた米国とニュージーランドの選手が、互いに助け起こし、完走しました。「五輪だから、走り切ろう」と励ましながら。

 ブラジル社会の懐の深さも光りました。難民選手団のポポレ・ミセンガ選手が柔道男子81キロ級に出場。3年前にコンゴ民主共和国からブラジルに亡命し、リオの貧困地区で暮らす青年を、観客は自国選手のように迎えました。「ブラジル全体が応援してくれた。胸が熱くなった」とミセンガ選手。多人種と多文化が共存する同国の特徴と、平和と友好の五輪精神が融合しました。

 そんな敬意と寛容のバトンを、東京が受け継ぎます。立派な器よりも大切な遺産(レガシー)を残せるか、選手が持てる力を出し切れる大会にできるか、が問われています。

 それが試された閉会式で不安が募りました。東京五輪のアピールで、安倍首相を過度に露出させる演出に違和感を禁じ得ませんでした。五輪は開催都市と国内オリンピック委員会、組織委員会が主催します。五輪憲章は国家元首の出番を、わずか一言の開会宣言に限定しています。それは、五輪に政治介入を許さないとの考えがあるからです。

 大会の主役と目的をはき違えてはいけません。(勝又秀人)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって