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2016年8月20日(土)

「新基地造らせない」沖縄の民意 ぶれない

辺野古違法確認訴訟が結審

翁長知事「協議で解決」訴え

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(写真)入廷前の集会で決意を語る翁長雄志県知事(手前)。左奥は小池晃書記局長など国会議員団も参加=19日、那覇市

 日本の民主主義・地方自治を左右する裁判が大きなヤマ場を迎えつつあります。

 米軍新基地建設に伴う沖縄県名護市辺野古の埋め立て承認取り消しの撤回を求める国の是正指示に、翁長雄志知事が従わないとして、国が起こした「不作為の違法確認訴訟」。その第2回口頭弁論が19日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で開かれ、被告である翁長知事の本人尋問が行われました。

 同訴訟は同日に結審し、判決は9月16日に言い渡されます。地方自治体の「不作為」に対して国が訴訟を起こしたのは過去に例がありません。

 今回の訴訟前、福岡高裁那覇支部は和解勧告で辺野古新基地問題を「オールジャパン」で解決するよう求め(3月)、総務省の国地方係争処理委員会(係争委)も協議による解決を求めました(6月)。それにもかかわらず、7月に一方的に訴訟に踏み切った安倍政権。知事は同日の尋問で「新基地は造らせない」という県民の民意を代弁するとともに、国の姿勢の不当性を訴えました。

 翁長知事は、県と国の双方の代理人からの質問に答える形で、3月の代執行訴訟の和解以降の経緯を説明。和解勧告と係争委の判断に共通するのは、「まずは『話し合いをしなさい』ということだ」と述べ、「不作為の違法」にはあたらないと主張しました。

 また、法廷闘争での決着に固執する国の姿勢は“国のやることには従え”というものであり、「地方自治に対する認識について大変疑問だ」と指摘。「真摯(しんし)な協議」を双方に促した係争委の決定があったにもかかわらず、安倍政権が「辺野古が唯一」との姿勢を崩さなかったことを厳しく批判しました。

 国側代理人は、「政府・沖縄県協議会」などの場で協議を重ねていると正当化し、「協議は訴訟と同時にできる」などと主張。これに対して知事は提訴前日の7月21日の協議会も、きわめて短時間の設定であり、「実質的な話し合いはできなかった。私たちの思いは話せても、(出席する閣僚らから)全く返事はない」と述べ、形式的な協議のあり方を批判しました。

 知事は、2014年の名護市長選から今年の参院選に至る一連の選挙で、「沖縄の民意は少しもぶれることなく“辺野古に基地を造ってはいけない”と示している」と強調し、司法の場で県民の声を代弁しました。

「法の番人として公平な判断を」

翁長知事が会見 辺野古阻止方針は不変

 「短期間の結審となったことは大変残念だが、裁判所においては法の番人として公平な判断を示されることを期待する」。19日、違法確認訴訟が結審となり、翁長雄志知事は県庁内で記者団にこう所感を述べました。

 判決のゆくえは予断を許しませんが、国・県のいずれかが最高裁に上告するのは確実です。国側は同日の知事に対する尋問で、前回裁判の国と県との和解条項に「確定判決には従う」との文言があることを持ち出して、「判決に従うのか」と執ように食い下がりました。

 これに関して知事は「和解条項は生きているが、今回の裁判には(規定が)及ばない」とし、仮に敗訴の場合でも、辺野古の埋め立て承認取り消しをただちに撤回するわけではなく、あくまで確定判決にそって判断する考えを示しました。

 また、知事は判決内容にかかわらず、「ありとあらゆる方策をもって辺野古に基地はつくらせない」と述べ、新基地阻止の県政方針は引き続き変わらないと強調しました。さらに、「これから予測される許認可について、一件、一件、適正かどうか判断するものがありうる」と述べ、辺野古新基地建設に伴う設計変更申請の審査など他の知事権限の行使は引き続き可能との考えを示しました。


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