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2016年8月11日(木)

きょうの潮流

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 日本近代登山の父と呼ばれた英国人宣教師ウォルター・ウェストンは日本の山々に魅せられたひとりでした。明治から大正にかけて3度も来日。各地の山に登り、魅力や風習を世界に紹介しました▼日本の登山仲間に山岳会の設立を勧めるなど、山に登ること自体を喜びとする近代登山の普及に貢献したウェストン。とくに上高地には長く滞在し、この地の自然の美しさを再発見した人物として知られています▼彼が1世紀余も前に上高地で書き残し、その後も外国人登山家によって書き継がれた山行記「クライマーズ・ブック」がこのほど刊行されました。そこには当時を知る貴重な記録とともに、日本の山への賛歌があふれています▼きょうは今年から祝日となった山の日。上高地では国土の7割を山地が占める日本で改めて山とのかかわりを見つめ直そうと、全国大会が開かれます。その関連行事として前日、長野・松本市で誰もが山に親しめる社会づくりをテーマに討論会が行われました▼参加したスイス・アルプス地方の観光局長はバリアフリー化と環境保護の両面を追求していくことの大切さを説きました。どちらも遅れているのが日本の現状。なにしろ保護どころか南アルプスを貫くリニア新幹線を推し進めているのですから▼うだるような暑さがつづくなか、自然の涼をもとめて海や山に足を運ぶ人も多い。人間がさまざまな恵みを受けてきた場に身を置きながら、それに浴してきた一員として、もたらす価値を考える機会としたい。


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