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2016年8月8日(月)

きょうの潮流

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 知人夫婦がこの夏にイタリアのローマに出かけました。映画「ローマの休日」を見てから一度は行きたかったと話していました▼王女に扮(ふん)したオードリー・ヘプバーンと新聞記者を演じたグレゴリー・ペックの一日の恋を描いた作品。公開から60年以上たった今も多くの心をつかんでいます。しかし、この不朽の名作を誰が思いつき、脚本を書いたのか。長い間、真実は閉ざされてきました▼「ローマの休日」が世に出てから40年後の1993年。この映画について1人の脚本家にアカデミー賞が改めて贈られました。オスカーに刻まれた名はダルトン・トランボ。彼こそ世界中から愛された物語を生みだした人物でした▼終戦直後の米国に吹き荒れたハリウッドの“赤狩り”。俳優、監督、製作者、脚本家…。たくさんの映画人が理不尽な弾圧にさらされました。トランボは、その中で最初の標的となった「ハリウッド・テン」の1人でした▼赤狩りの舞台となった下院非米活動委員会の聴聞会。召喚されたトランボは「これはアメリカの強制収容所の始まりだ」と叫び、議会侮辱罪で刑務所に入れられます。仲間から裏切られ、職を失っても偽名で創作活動を続けました。その不屈な姿を公開中の「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」が伝えています▼抑圧と不信が渦巻いた悪意の時代に、人間の良心を信じ、信念をもってたたかったトランボ。ふたたび自由や民主主義が脅かされようとしている今、彼らの生き方は勇気を与えてくれます。


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