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2016年8月2日(火)

米で労働者の権利侵害

労組結成・加盟を阻害

国連人権理事会 報告者が告発

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 国連人権理事会のマイナ・キアイ特別報告者は7月11日から27日まで米国内10都市を回り、同国の集会・結社の自由などの状況について調査を行いました。27日、ワシントンで会見し、団結権や団体交渉権、スト権など労働者の基本的権利が侵害されていることを告発しました。(山崎伸治)


 キアイ氏はワシントンやニューヨークのほか、白人警官による黒人射殺事件の起きたミズーリ州ファーガソン、ルイジアナ州バトンルージュ、全米自動車労組(UAW)が労組結成を取り組むミシシッピ州の州都ジャクソンなどを訪問。独立行政機関「全米労働関係委員会」(NLRB)や米労働省、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)、人権擁護団体「全米市民的自由連盟」(ACLU)などの代表に面会しました。

 キアイ氏は会見で、「法律上、労働者には組合結成が禁じられていない。ところが現実には、労組結成・加盟がいくつかの要因で阻害されている」と指摘。▽雇用者に対する過度の服従▽中立の名のもとで、労組保護を怠る政府当局の姿勢▽労組結成に対する雇用者の脅迫などへの罰則の弱さ―などを挙げました。

 またストライキ中の労働者に代わり、別の労働者を雇い入れることが「スト権を無効なものにしている」と指摘。労組を結成しても、雇用者側が労働協約の交渉を引き延ばし、「組合員の士気を下げ、不満をもたせることで、団体交渉を弱めている」と述べました。

 ミシシッピ州では、日産自動車がすべての正規雇用労働者を臨時の派遣労働者に差し替え、「かなり低い賃金と手当しか支払っていない」と告発。日産が世界中で操業する44の主要工場のうち、労組がないのは米南部の2工場だけだと批判しました。

 キアイ氏は「国際人道法は明確に団結権、スト権などの労働者の権利を定めている」と指摘。それを擁護・尊重し、促進するのが各国の義務だと強調しました。

 今回の調査を踏まえた最終報告書は2017年6月に国連人権理事会に提出される予定です。


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