「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年7月26日(火)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「これがきみの薬だ」「これは何?」「オキサンドロロン(筋肉増強剤)だよ」。映像の中の生々しい会話。ドーピングの実態を告発したロシアの陸上女子選手が隠し撮りしたものです▼コーチから渡された大量の注射器と錠剤。この選手は調整の一部として日常的にドーピングを勧められてきたといいます。「もしオリンピック選手になりたくて、そのために勝ちたいのなら、ロシアでは唯一の道でした」▼薬物汚染、監視機関の不正、国家権力による検体のすり替え…。世界反ドーピング機関の調査チームはロシアのドーピング隠蔽(いんぺい)を「国家が動かす巨大なマシン」と評しました▼国際オリンピック委員会はリオ五輪へのロシア選手の全面的な出場禁止は見送りました。示した条件を満たせば参加を認めると。開幕直前に迫られた決断の是非はさまざま。しかし、スポーツに注がれる世界の目はますます厳しくなるでしょう▼心身に異常をきたしてでも禁止薬物に手を伸ばす。そこには国威発揚とともにメダルのためには手段を選ばない勝利至上の考えがあります。勝者だけを祭り上げる風潮も公平さやフェアプレーといったスポーツの核心を後景に追いやっています▼「ドーピングはスポーツの死であり、精神、肉体、モラルの死に等しい」。不正とたたかうスポーツ人の声です。4年後には東京でオリンピックが開かれます。日本が先頭に立ってスポーツ本来の価値を発信していく。それがクリーンな“人類の祭典”につながるはずです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって