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2016年7月26日(火)

ASEAN外相声明 南シナ海「複数国が懸念」

仲裁裁判判決には触れず

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 【ビエンチャン=松本眞志】ラオスの首都ビエンチャンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は25日、共同声明を採択しました。懸案の南シナ海問題について、12日の常設仲裁裁判所の判決には直接言及しなかったものの、「複数の外相の懸念に留意する」と表明しました。


 同声明は、「最近の南シナ海域で進展する状況を深刻に懸念し、域内での信頼と信用を損ねて緊張を増大させ、平和と安全、安定を脅かす埋め立て行為や当該海域での活動の拡大に対して複数の外相の懸念に留意する」と表明しました。

 「相互の信頼と信用を強め、行動において自制を発揮し、情勢を複雑化する行動を回避し、1982年締結の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に従った紛争の平和的解決を追求することを再度確認した」「南シナ海の情勢を複雑化して緊張をエスカレートさせる埋め立てなどすべての活動において、非軍事化と自制の重要性を強調した」としました。その上で「南シナ海行動宣言(DOC)の実践と同行動規範(COC)の早期締結のための実質的な交渉の努力をおこなう」としています。

 また、海上での偶発的衝突を避けるため、中国とASEANの間で外務省間のホットラインの設置や「海上衝突回避規範」の必要性を明記しました。

 24日の会議では、中国による南シナ海の大部分の管轄権の主張を否定した常設仲裁裁判所(PCA)の判決を共同声明に反映させるかどうかをめぐり、協議が難航しました。ベトナムやフィリピンが判決を歓迎する文言を盛り込むよう要求し、インドネシア、マレーシア、ミャンマーなども国際法の尊重をもとめる文言を盛り込むことを求めました。これに対してカンボジアや議長国ラオスなどが難色を示していました。

 一方で共同声明は、「ASEANと中国の関係と協力の進展を歓迎する」と強調。今年9月にラオスで行われるASEAN首脳会議で、ASEAN中国対話関係構築25周年サミットを開催すると述べ、中国との関係を重視していく姿勢を示しました。


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