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2016年6月15日(水)

舛添疑惑 追い込んだ力は

共産党の追及 世論の包囲

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 舛添要一東京都知事の税金の浪費、公私混同、政治資金の不正使用疑惑が大問題になっている都議会第2回定例会。14日開いた議会運営委員会理事会で、日本共産党都議団(吉田信夫団長、17人)をはじめ各会派がそれぞれ提案した舛添知事不信任案を一本化し、15日の都議会本会議に上程することを確認しました。共産党の厳しい追及と、日増しに高まる世論の批判の包囲網のなかで、与党の自民党、公明党も知事に辞職を求めざるを得なくなりました。(本紙取材班)


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(写真)舛添要一知事(手前左)の疑惑を追及する曽根はじめ都議(右端)=13日、都議会総務委

三つの疑惑ただした共産党

 舛添知事の一連の疑惑が明るみに出た発端は、共産党都議団が4月7日に公表した、飛行機のファーストクラス利用や高級ホテルのスイートルーム宿泊など高額の海外出張の実態でした。

 さらに、公用車でほぼ毎週末、神奈川県湯河原町の別荘に通うなどの公私混同問題、政治資金疑惑が相次いで発覚しました。

 共産党都議団は情報開示請求で入手した資料や舛添氏の政治資金収支報告書などを詳細に分析し、都議会本会議の代表質問(7日)・一般質問(8日)、総務委員会の一問一答形式での集中審議(13日)で、舛添知事を追い詰めました。

 とくに焦点となったのが、政治資金オンブズマンが東京地検に告発した政治資金規正法違反などの容疑です。舛添知事が2013年・14年の正月に「龍宮城スパホテル三日月」(千葉県木更津市)に家族旅行で宿泊しながら、ホテル代を「会議費用」として政治資金で支出していた問題です。

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 舛添知事が元検事の弁護士2人に依頼し6日に公表した「調査報告書」は、知事がそのホテルで面談したという「会社社長」や宿泊したホテルから直接聞き取るなど裏付けをとる調査をしなかったにもかかわらず、「違法とはいえない」と結論づけました。

 共産党は和泉なおみ都議の代表質問と、大島よしえ都議の一般質問で、「会社社長との面談」との説明が虚偽の作り話であったのではないかと追及。

 13日の総務委員会の集中審議。ホテルでの「面談」相手の氏名すら答えることを拒否し続ける知事に対し、共産党の曽根はじめ都議が「社長との面談」について「誰がいつ連絡し、どういう交通手段で来たのか。面談は何時から何時までだったか」などと具体的事実を一つひとつただしました。舛添知事は「いつ連絡したか、つぶさには覚えていない」「細かい時間は記憶にない」との答弁を連発し、疑惑はいっそう深まりました。

 曽根氏の追及で、知事は東京ドームの巨人戦やNHKホールのコンサート鑑賞に、家族同伴で公用車を使用した事実を認めました。

 批判が殺到する中で知事は、「ファーストクラス、スイートルームは使用しない」「湯河原の別荘は売却する」などとし、13日には給与の全額返上の意向を表明。リオデジャネイロ五輪への対応を理由に「いま少しの猶予を」と懇願し知事の座に執着しました。

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(写真)記者団の取材を受ける大山都議団幹事長(正面右)=14日午後6時25分ごろ、東京都議会

かばい切れず全会派要求に

 14年2月の都知事選で舛添氏を応援した自民党と公明党の“製造者責任”に、都民から厳しい批判が上がっています。

 本会議で、自民党は「マスコミ報道に対しては、知事にも言い分はあるでしょう」「違法性もないかもしれません」と知事をかばい、共産党が提案した百条委員会設置について、「知事就任前の参院議員時代の政治資金にかかわる議論は、東京都の百条委員会の議論になじむものなのか」と都側に質問するなど、疑惑隠しに走りました。

 公明党も「あなたが問われているのは、合法か違法かではありません」「政治家の出処進退は自ら明らかにすべきもの」などとの批判にとどまりました。

 真実を語ることを拒否し続ける舛添知事に、圧倒的多数の都民から「納得できない」「早くやめてほしい」と抗議の声が都や都議会に殺到。知事をかばう自民党、公明党も「全国から怒りや抗議の声が毎日たくさん寄せられている」(自民)、「わが党にも、(抗議が)連日多数寄せられている」(公明)と音を上げました。

 公明党は13日の都議会総務委員会でようやく知事に辞職を求め、自民党も14日に不信任決議案を提案すると表明しました。

舛添氏持ち上げた自民・公明

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(写真)都知事選挙で舛添氏を応援する安倍首相(左)、山口公明党代表(右)=2014年2月2日、東京・銀座

 猪瀬直樹前知事の5000万円裏金事件の辞職を受けて舛添要一氏は、自民党と公明党の支援を受けて14年2月の知事選に立候補し、初当選しました。2月2日、中央区で行われた街頭演説で、公明党の山口那津男代表とともに並んだ安倍晋三首相は「決断と実行力を持って取り組んでいくことができるのは、舛添要一さんしかいない」と応援しました。

 知事が就任した直後の14年3月4日の都議会本会議代表質問。自民党の吉原修都議は「今回の知事選によって、わが党と共通の目標を持つ知事が誕生しました」ともちあげ、公明党の中嶋義雄都議も「(舛添氏が)見事に当選を果たされました」「公明党は、二元代表制における知事と議会の健全で建設的な緊張関係を維持」するなどと発言しました。


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