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2016年6月5日(日)

沖縄遺棄事件 米軍に指一本ふれず

県民愚弄の「再発防止」策

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 元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件を受け、政府が3日に発表した「再発防止」策は、パトロール強化や監視カメラの設置などの取り締まり策が主で、当事者の米軍には指一本ふれない異常な内容になっています。「全基地撤去」や日米地位協定の改定をはじめとした抜本策を求める県民の要求からはほど遠いばかりか、それを県議選・参院選を前に大々的に打ち出すやり方は県民を愚弄(ぐろう)するものですらあります。

治安にすり替え

 A4判2枚にまとめられた「沖縄県における犯罪抑止に関する対策について」は、冒頭で同事件にふれているものの、主眼はあくまで一般的な犯罪対策です。そもそも対策チームの設置要項には「米軍」の文字すらなく、基地あるがゆえの犯罪が最初から沖縄の治安問題にすり替えられています。

 「再発防止」の環境整備では、監視カメラや街灯の増設に加え、学校の防犯教育や、地域ぐるみでの子どもの見守り活動の充実、不審者情報の共有体制の構築などをあげました。1995年の米兵らによる少女暴行事件を受け、同県金武町では街灯約1000本や監視カメラが国の補助金で設置されました。しかし、その後も米軍犯罪は起きており、根絶策にならないことは証明済みです。

 いま大問題になっているのは、沖縄の世論を「論理的というより感情的」(海兵隊の研修資料)などと見下した、米軍の新兵教育のほうです。こうした研修をただしもせず、国が県民に教育や対策を求めるなど、責任転嫁もはなはだしいものです。

 パトロール体制の強化では、県警の体制強化のほか、内閣府の出先機関である沖縄総合事務局で非常勤職員を雇用し、車両100台規模の緊急パトロール隊を組むとしています。場所は「繁華街等」とあるだけで、米軍対策どころか県民監視に悪用される可能性もあります。

国民守らぬ自公

 日米両政府は反基地世論の拡大を防ぐため、矢継ぎ早に対応をとっていますが、日米地位協定や基地削減といった米軍の既得権益にふれることには一切否定的な姿勢を示しています。安倍晋三首相は5月25日の日米首脳会談で、こうした県民の声を取り上げないばかりか、同盟強化や辺野古新基地の推進方針だけをオバマ大統領に伝えました。

 自公政権が事件を防ぎ、国民の命を守る立場にないことは明らかです。

 (池田晋)

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