2016年5月27日(金)
広大な基地あるが故
女性遺棄 翁長知事が議会報告
沖縄県の翁長雄志知事は26日開かれた県議会(臨時会)で元海兵隊員による遺体遺棄事件について報告しました。
米軍属を被疑者とする死体遺棄事件に関し、お亡くなりになられた被害者の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し、心よりお悔やみを申し上げます。
今回の事件は、将来への大きな夢を抱き、社会の一員として地道に努力している若者の尊い命を奪う、実に痛ましいものであり、御本人や御家族の無念さを思うと、心が痛みます。
県は、これまで数十年にわたり、米軍人・軍属等による事件・事故が発生する度(たび)に、綱紀粛正、再発防止及び教育の徹底等を米軍等に何度も繰り返し強く申し入れてきましたが、現状は、全く変わらないと言っても過言ではありません。
3月に那覇市内で準強姦事件が発生した際にも、このような事件が二度と起きないよう、在沖米軍全軍に対し、早急に、より一層の綱紀粛正及び人権教育の徹底を含め、再発防止について万全を期すよう強く要請してきたばかりであります。
それにもかかわらず、このような凶悪な事件が発生したことは、国土面積の約0・6%に過(す)ぎない沖縄県に、在日米軍専用施設面積の約74%に及ぶ広大な米軍基地があるがゆえであります。
このような沖縄の現状を日米両政府は十分に認識し、日米地位協定を見直すとともに、基地の整理縮小など、過重な基地負担の軽減に真摯(しんし)に取り組んでいただくことが、抜本的な解決につながるものであります。
県としては、米軍等に対し強く抗議し、今後、捜査の進展を踏まえつつ、厳しく対処していくとともに、御遺族の方の心情や意向にも十分配慮し、適切に対応してまいります。