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2016年5月9日(月)

きょうの潮流

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 ロンドンで地下鉄に乗っていると、英語がほとんど聞こえてこないといいます。いろんな言語が飛び交い、駅のアナウンス以外は英語を耳にしない。ここは本当に英国なのかと▼多様な人種が共存してきた国際都市ロンドン。この10年でも移民はさらに増え、多数派だった白人のイギリス人もいまや人口比で5割を割り込んでいます。そこで初めてイスラム教徒の市長が誕生しました▼パキスタン移民の両親のもと、大勢のきょうだいと低所得者向けの公営住宅で育ったサディク・カーンさん。人権派弁護士として経験を積んで労働党の下院議員に。テロや難民問題で反イスラムの機運が高まるなか、過激派と結びつける相手陣営の中傷攻撃もはねのけました▼欧米の主要都市でも初となるイスラム教徒市長は「ロンドン市民が恐怖より希望を、分断より団結を選んだことを誇りに思う」。そして、生い立ちに関係なく、すべての市民の生活を向上させると誓いました▼一方で貧困や格差、日常を覆う閉塞(へいそく)感や不満につけ込み、過激な主張をくり返す政治家が台頭しています。米国第一を掲げ他民族を攻撃するトランプ氏、難民や移民を敵視する欧州の極右勢力、フィリピンの大統領候補も…▼変化をもとめる市民の動きは一様ではないでしょう。権力の妨害もあります。しかしエネルギーは尽きません。いま日本でも市民運動がひろがり、野党との共闘で政治を転換させる力になっています。自分たちの手で暮らしやすい社会をつくることを信じて。


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