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2016年5月2日(月)

主張

辺野古V字案10年

世論に逆らう新基地不可能だ

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 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設計画で日米両政府がV字形の滑走路を設置する現行案(V字案)で合意(2006年5月1日)して10年になります。両政府の普天間基地「全面返還」合意(1996年4月12日)からも既に20年です。その経過が示すのは、沖縄県民多数が反対する「県内移設」を返還の条件にすれば、どんな案でも普天間基地は1ミリも動かないという事実です。「辺野古移設が唯一の解決策」として新基地にしがみつく安倍晋三政権こそ普天間基地固定化の元凶です。

破たんしている合理化論

 辺野古の新基地案は変更に次ぐ変更が繰り返されています。

 政府が最初に沖縄県と名護市に示したのは、辺野古の海に多数の杭(くい)を打ち込み基地を支えるなど複数の「海上ヘリポート案」でした(97年)。これに対し、98年にそれぞれ当選した稲嶺恵一知事と岸本建男市長は、「軍民共用空港」「15年使用期限」などを新基地受け入れ条件にします。政府は99年、稲嶺氏らの受け入れ条件を踏まえた閣議決定を行い、02年に辺野古沖合を大規模に埋め立てる「沖合案」を正式決定しました。

 しかし、反対世論とたたかいの広がりなどで沖合案は進まず、04年には普天間基地に接する沖縄国際大学に海兵隊ヘリが墜落し、県民の怒りは一層沸騰します。

 あせった日米両政府は普天間基地の早期「移設」が必要などとし、県や名護市の頭越しに、沖合案を白紙に戻し、05年の外交・軍事閣僚会合(2プラス2)で、市民らの抗議・監視活動を排除するため、辺野古にある米海兵隊基地キャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立てL字形の基地を造る案(L字案)を一方的に決定します。06年に名護市長になった島袋吉和氏は騒音被害などを理由にL字案には反対したものの、政府が代わりに提示したV字案を受け入れたため、日米両政府が同年5月1日に2プラス2で最終決定したという経過をたどりました。

 安倍政権は、V字案の新基地建設を合理化するため、沖縄県が過去に沖合案を受け入れたことを盛んに持ち出していますが、全く道理がありません。「15年使用期限」などを踏まえた99年の閣議決定は、政府自身がV字案を決定した06年5月に廃止しています。稲嶺知事もその後継である仲井真弘多氏もV字案に反対を表明し、10年の名護市長選では新基地建設反対の稲嶺進氏が島袋氏を大差で破りました。民意は明白です。

 仲井真氏が13年に突如、新基地建設のための埋め立て承認を行ったことこそが、県民を裏切ったあからさまな公約違反です。

翁長氏の取り消しは当然

 14年に新基地建設断固阻止を掲げて仲井真氏に圧勝した翁長雄志現知事が埋め立て承認を取り消したのは、県民大多数の意思に沿ったものであると同時に、新基地建設問題の経過から見ても極めて当然です。

 安倍政権は新基地建設を強権的に進める構えを崩していませんが、翁長知事はそれを阻止する強い権限を持っています。普天間基地の無条件返還を実現するためにも、目前の県議選と参院選で翁長知事を支える「オール沖縄」候補の勝利、日本共産党の躍進を勝ち取ることがどうしても必要です。


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