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2016年5月1日(日)

米軍 戦争犯罪は否定

アフガン病院空爆 国際法違反認める

人権団体が批判

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 【ワシントン=島田峰隆】アフガニスタン北部クンドゥズにある国際医療支援団体「国境なき医師団」(MSF)の病院を米軍が昨年10月に空爆し、42人が亡くなった事件に関し、米軍は29日、内部調査報告書を公表し、将官1人を含む将兵16人を処分したことを明らかにしました。ただ意図的な事件ではないとして「戦争犯罪には当たらない」としました。

 同日ワシントンで記者会見した米中央軍のボテル司令官は、当時の状況について、対地攻撃機AC130が地対空ミサイルによる攻撃を受けた後、乗員が病院を反政府勢力タリバンが制圧した建物だと誤認して空爆したと説明しました。「事件は意図しない人為的ミス、過程における過ち、機器の故障などが組み合わさった結果だ」と主張。米軍は将官や乗員、地上から空爆を誘導した特殊部隊員らについて戒告や停職、再訓練の命令などの処分を行ったと述べました。

 同司令官は「武力紛争における国際法のルールを順守しなかった者もいた」と認めました。一方で「地上にいた兵士も乗員も全員、医療施設を空爆しているとは認識していなかった」「意図しない行動だった」などと語り、「戦争犯罪だとは考えない」と述べました。

 MSFは同日の発表文で「処分は、保護されるべき医療施設の破壊、死傷者、医療サービスを受けられなかった無数の人々に照らすと釣り合わないものだ」と非難しました。また「米軍は人口密集地の都市部で、コントロールできない軍事作戦を行い、戦時の基本的法律に従わなかったことを認めた」と指摘。米軍の行動が国際人道法に違反するかどうかの基準は、意図的だったかどうかという点ではないと強調しました。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)アジア政策局長のジョン・シフトン氏は同日、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)に対し、武力紛争における国際法に違反したと米軍が認める一方で、誰一人として戦争犯罪に問わないのは「説明がつかない」と指摘。「戦争犯罪は意図的でなければならないという司令官の説明は全く誤っている」と述べました。


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