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2016年4月18日(月)

ゆうPRESS

最賃1500円の正義

引き上げ切実 若者の思い 「エキタス」メンバー

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 「最低賃金1500円」の実現を求める声が、若者のあいだに広がっています。その先頭に立つ若者グループ「AEQUITAS」(エキタス、ラテン語で「正義」「公正」の意味)メンバーの最賃引き上げへの思いは―。 (田代正則)


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企業にとってもメリット

原田 仁希(にき)さん(26)

 最低賃金1500円を求めて積極的に行動しているエキタス。昨年10月以来、2回のデモ、1回の街頭宣伝とアピールしています。中心メンバーのひとり、原田仁希(にき)さん(26)は、「1500円はぜいたくではない。普通に生活するための最低限のレベルです」と強調します。

 「いま、日本では非正規雇用労働者が4割に達しています。正社員の状況もひどい。ぼくの友達は初任給が月額18万円でしたが、長時間残業込みです。時給に換算すれば、最賃スレスレですよ。10年上の先輩の賃金をみても、ほとんど上がっていない。将来が見えません」

 安倍政権は、アベノミクスの効果で大企業がもうかれば、トリクルダウン(したたり落ちる)で賃金が上がると言いました。「でも、ぼくたちの生活はよくならなかった。だから、最賃引き上げで底上げが必要です」

 現在の最賃は、全国平均798円、最高が東京の907円、最低が沖縄など693円です。東京でフルタイム働いても、月14万円程度で年収160万円強です。1500円になると年収270万円です。

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(写真)最低賃金上げろとデモ行進する人たち=昨年12月13日、東京都新宿区

 全労連が各地で取り組んだ生計費調査をみても、地域差はほどんどなくて、若年単身者の場合、1400円程度が必要だという結果になっています。「都市部では住宅費が高いし、郊外では自動車の維持・燃料代など交通費がかさむと聞いて、なるほどと思いました」

 「低賃金なのは能力がないからだ」と言われることがあります。「人間らしく生きることは権利ですから、能力は関係ありません。生活できる賃金を得られてこそ仕事は続けられるし、経験を重ねることで技術だって身につく。企業にとってもメリットがあるはずです」

 中小企業支援もセットで訴え、デモでは「中小企業に税金使え」とコールしています。

 いま、介護や保育の賃上げについて、野党共闘が実現しています。「経済イシュー(問題)でも野党は共闘を広げてほしい」と強調します。

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(写真)最低賃金1500円の実現を求めるAEQUITAS(エキタス)の街頭宣伝=3月20日、東京・新宿駅東口

蹴落とし合いやめよう

藤川 里恵さん(24)

 昨年12月のデモで、「弟が自衛隊に入ろうとしている」とスピーチして話題になった藤川里恵さん(24)。「弟には、『本当は勉強したいんでしょ』と思いとどまらせ、4月から大学に進学しました。でも、4年間で学費と生活費を合わせると1000万円を超えます」

 藤川さん自身も、実家の家計が苦しく、山梨県ですごした大学時代は、有利子奨学金を借りながら、スーパーと飲食店のアルバイトをかけ持ちしていました。山梨の現在の最賃は737円、当時は600円台でした。「時給はいい方でしたが870円程度。朝から深夜までバイト漬けでした」

 現在、大学時代の有利子奨学金300万円に加え、高校時代の奨学金の返済もあるので、減額制度を使っても毎月1万5000円の支払い。貯金もできません。

 「貧困は、かわいそうな一部の人だけの問題ではないと思います。社会全体が競争状態に置かれて、蹴落としあっているみんなが貧困なのではないでしょうか。これで、本当に平和だとはいえないと思います」

日本共産党の政策

いますぐ時給1000円に、1500円めざす

給付型奨学金創設も

 日本共産党は、3月17日、最低賃金の抜本引き上げと、学費・奨学金の抜本改革について政策発表しました。

 最低賃金は「いますぐ、どこでも時給1000円にして、1500円をめざす」こととし、中小企業に対して社会保険料の負担を減免するなど直接支援をセットで提案しています。

 大学の学費は段階的値下げで、10年間で半減。給付型奨学金の創設、すべての奨学金の無利子化、既卒者の奨学金返済の減免制度の実現を呼びかけています。


 最低賃金 これより低い賃金で労働者を働かせてはならないという最低限度。最低賃金法によって時間額で定められています。違反すれば刑事罰もあります。毎年、中央最低賃金審議会の目安を参考に、地方ごとの審議会で審議し引き上げが行われています。


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