2016年4月18日(月)
サイバーでも先制攻撃
山下氏“米との連携危険”
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サイバーセキュリティ基本法等の改定案が15日の参院本会議で、日本共産党と社民党などを除く賛成多数で可決、成立しました。
これに先立つ14日の内閣委員会の質疑で、日本共産党の山下芳生議員は、政府が米国との間でサイバー空間における連携を強化していることについて、米国の戦略に日本が巻き込まれる危険性を指摘しました。
政府の国家安全保障戦略はサイバー防衛協力の推進をうたい、2015年4月の新ガイドライン(日米軍事協力の指針)でも「サイバー空間に関する協力」という項目を新設しています。山下氏は、米国防総省のサイバー空間政策報告書(11年11月)がサイバー事案に対する「通常兵力を用いた報復」を明記していること、12年10月にパネッタ国防長官(当時)が演説で「サイバー空間で先制攻撃を行う」と述べたことを示し、日本政府の認識をただしました。
外務省の水嶋光一大臣官房審議官は「武力の行使を構成しうるもの」「サイバー攻撃の切迫した脅威を察知した場合、米国は大統領が指示した際には、国家を守るために攻撃者に対して措置をとる」と説明しました。
15年の安保法制の審議で中谷元・防衛相が答弁した「武力攻撃の一環として行われたサイバー攻撃に対して武力を行使して対応することも法理として考えられる」という政府の立場について、若宮健嗣防衛副大臣は同様の認識を示しました。
山下氏は「米国と一緒に軍事優先のやり方をとるのは危険だ」と強調しました。