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2016年3月30日(水)

主張

予算後の経済運営

消費税増税の中止待ったなし

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 2016年度の政府予算と税制改定など関連法の成立が強行されたのを受け、安倍晋三政権の今後の経済運営が注目されています。軍事費の異常な突出と社会保障の削減に加え、大企業減税と来年4月からの消費税増税を盛り込んだ予算では、国民の暮らしも経済も立て直せません。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の破綻は明らかになっており、国民の暮らしにテコ入れするため、とりわけ消費税の増税中止が大きな焦点となっています。

アベノミクスの破綻明白

 来年(17年)4月からの消費税増税は、安倍政権が一昨年4月消費税の税率を5%から8%に引き上げたのに続き、食料品など一部を据え置いただけで、10%へと再び引き上げようとしているものです。安倍首相は「リーマン・ショックや大震災のような事態が起きない限り」増税を強行するとしていますが、消費の落ち込みが続き、このままでは増税できないなどの声が急速に広がっています。

 安倍首相は予算成立前から内外の有識者を招いた「国際金融経済分析会合」を重ねていますが、スティグリッツ米コロンビア大学教授やクルーグマン米ニューヨーク市立大学教授からも、消費税増税は「やるべきではない」との意見が相次いでいます。

 安倍首相が政権に復帰して以来3年間にわたって続けてきた経済政策「アベノミクス」は、いまや破綻が明白です。「アベノミクス」は、円安や株高、大企業減税などで大企業のもうけを増やせば、回りまわって「トリクルダウン」(したたり落ち)で家計がよくなるというものでしたが、大企業がもうけを増やしても賃金や雇用に回らず、消費は低迷したままです。ことしの春闘でも大企業の賃上げが伸び悩み、安倍首相も「欲をいえばもう少し力強さがほしかった」といわざるを得ません。

 安倍首相は「アベノミクス」がうまくいけば、消費税を増税しても影響は「一時的」といいましたが、一昨年の増税による消費の落ち込みは予想以上に大きく、長引いています。日本経済は消費税増税から2年近くたっても「マイナス成長」を繰り返しています。消費が増えなければ企業の売り上げや生産も増えず、国や自治体の税収も確保できなくなります。消費税増税路線の破綻は重大です。

 首相が日本銀行に押し付けた金融緩和も、消費が落ち込んだままでは銀行にお金がたまるだけです。日銀は「マイナス金利」という異常な政策に踏み込みましたが金融市場はさらに混乱しています。安倍首相は国際的な経済情勢悪化に責任を転嫁せず、失政と破綻の責任を認めるべきです。

増税反対は圧倒的な世論

 消費税増税反対は、「日経」調査で61%、共同通信の調査では64・6%(いずれも28日付)―。国民は「アベノミクス」の「効果」が実感できないだけでなく、その破綻が明らかになるなかで、いまや「アベノミクス」の中止や消費税増税の断念を切望しています。

 安倍政権も7月の参院選前には消費税増税の「延期」を決めるという見方も広がっていますが、選挙目当ての「延期」は増税を先延ばしするだけです。圧倒的な国民世論に応えず、増税に固執する安倍政権には、政権を担い続ける資格がいよいよないことになります。


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