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2016年3月28日(月)

英政権 教育「民営化」を計画

自治体管理やめ 全校を民間運営

「撤回を」教組ストへ

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 全英教員組合(NUT)は26日、英南部ブライトンで開催中の年次大会で、キャメロン政権が打ち出している教育の「民営化」計画に反対して、全国ストをおこなうことを圧倒的多数で決議しました。(伊藤寿庸)


 組合員投票で承認されれば、7月にもストが実施される予定です。

 キャメロン政権は今月発表した教育白書の中で、すべての学校を、中央政府が資金を拠出し民間団体が運営する「アカデミー」と呼ばれる形態に2022年までに移行させる計画を発表しました。これまでの地方自治体による管理を廃止し、企業的な運営を持ちこむものと批判されています。

過酷な労働条件

 ストライキでは、教員の「耐えがたい」までの過酷な労働条件の問題も取り上げます。保守党政権が進めてきた競争教育や詰め込み中心のカリキュラムで教師が疲弊し、やる気を失わされている現状があります。昨年10月の英最大労組、労働組合会議(TUC)の調査では、組合員の半数以上が今後2年以内に退職することを考えていることが判明しています。

 NUTの大会では、野党第1党の労働党のコービン党首が演説。労働党の党首がNUTの大会に参加するのは初めてで、代議員から拍手喝さいを受け、「教師に対する、地域と親が学校に責任を持つことに対する思想攻撃だ」と学校のアカデミー化計画を批判しました。

 コービン氏は、政府の計画が「教育制度から、財産を奪い取るものだ」と述べるとともに、教員の給与水準の引き下げ、教育水準低下につながる「教育の民営化への一歩だ」と批判しました。

保守党の議員も

 同じ野党の自由民主党のファロン党首も大会に公開書簡を寄せ、「アカデミー」化の計画を批判。地域の学校運営に関わる与党・保守党の地方議員の多くからも計画撤回を求める声が噴出しています。

 同時に開かれている全国女性教員校長組合(NASUWT)の大会では26日、モーガン教育相が出席し、アカデミー化計画を説明しました。同組合がアカデミー化計画に否定的な姿勢を取っていることに苦言を呈し、「教育改革にリバースギアはない」などと挑発する発言に、教師らの反応は冷ややかで、ヤジも飛んだとBBCは伝えています。


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