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2016年3月21日(月)

きょうの潮流

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 海と山を望む「鉄と魚のまち」。5年前の東日本大震災で、岩手県釜石市は大きな被害を受けました。同時にある教訓も残しています。市内の小中学生、約3000人の99・8%が迅速に避難し、難を逃れていたことです▼災害が起きたら「率先避難者になれ」。ほとんどが逃げるか否か決められないなか、「自分が逃げることで皆の命を救える」。以前からの防災教育が力を発揮し、「釜石の奇跡」と呼ばれます▼20日に開幕した選抜高校野球。21世紀枠で出場を果たした釜石高校は、新たな「奇跡」をと挑んでいます。公立の進学校、グラウンドは六つの部で使い、練習は2時間余り。恵まれた環境ではありませんが、「自分で考えること」をモットーに力をつけてきました▼震災当時、彼らはみな小学生で、家族を失った選手もいます。部員24人中7人がいまも仮設住宅で暮らしています。その一人、沢田一輝投手は生まれつき右足に障害があり、義足で甲子園の土を踏みます▼震災後「みな大変なのに野球をしていていいのか」。その迷う背中を押してくれたのは母でした。かつて義足で甲子園に出場した選手の話もしてくれながら▼昨秋、同校はすでにミラクルを起こしています。県大会1回戦でコールド負け後、敗者復活戦から6連勝し、準優勝にこぎつけました。一人ひとりが困難な日常を前向きの力に変えてここまで。「被災した方々に全力プレーをみせたい」。今日の第1試合、相手は同じ21世紀枠で話題の小豆島高校です。


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