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2016年3月3日(木)

首相、憲法尊重義務(99条)守らず

「在任中に明文改憲」答弁

制限なき自衛権 狙う

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 安倍晋三首相が2日の参院予算委員会で、明文改憲を「在任中に成し遂げたい」と表明しました。憲法尊重義務を定めた憲法99条に反する答弁で重大です。安倍首相は1日の衆院予算委員会では、集団的自衛権の行使について「国際法上持っている権利は行使できるという考え方のもとに、われわれは憲法改正草案をお示ししている」と、改憲で集団的自衛権の無制限な行使を目指す意図を明らかにしました。

 「国際安全保障環境の変化」を理由に、集団的自衛権の行使を可能にした戦争法(安保法制)の施行を1カ月後に迎える中、集団的自衛権の無制限な行使のために「改憲」を目指すという乱暴きわまりない主張です。

 安倍首相はこの間、「憲法学者の7割が自衛隊の存在自体が憲法(9条2項)違反であると解釈している以上、当然、集団的自衛権も憲法違反になっていく」「しかし…いまや自衛隊に対する国民の支持はゆるぎない」(2月3日、衆院予算委)などとして、自衛隊を憲法に位置づける角度から9条改憲を主張しています。

 首相の真意は、「海外での武力行使」を禁止された「専守防衛」の実力組織としての自衛隊のこれまでのあり方を追認することではありません。戦力不保持を定めた9条2項を削除することで、世界中で米国と共に戦争できる文字通りの「軍隊」へと変貌させることにあります。

 実際、自民党改憲草案は、戦争放棄を定める9条1項は残しますが、同2項の戦力不保持を削除したうえ、新2項として「前項(戦争放棄)の規定は自衛権の発動を妨げるものではない」と規定。新設する9条の2で「国防軍の保持」を明記しています。

 その意味について改憲草案Q&Aは「自衛権の行使には、何らの制約もないように規定した」と説明しています。「何らの制約もない」とは、まさに集団的自衛権行使が全面的に可能になるということです。

 「戦争放棄」条項が残っても、「自衛」の名の下に無制限の武力行使が可能になることを「念入りに」示したというのです。

 安倍首相の発言は、こうした集団的自衛権行使、米国の引き起こす戦争に参加することへの異様な執念を改めて示したものにほかなりません。

 根底には、9条2項が存在する限り、戦争法に対する「憲法違反」という批判はやまず、さらに集団的自衛権の行使にも「限定」「制約」が残ることへのいら立ちがあります。

 (中祖寅一)


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