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2016年3月2日(水)

きょうの潮流

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 ネットワーク社会が広まり始めたのは、いつ頃だろうか。人類は情報化時代を迎えたと、アルビン・トフラーが『第三の波』を著したのが1980年。今ではインターネットや携帯電話の普及で、世界中が結ばれます▼それをつくり出した人間の脳にも、さまざまな機能を結ぶネットワークがあります。たとえば私たちが街を歩くとき、脳は視覚や空間を認識し、周りの状況を瞬時に判断。体の感覚や運動のネットワークも働きます▼この脳のつながりと認知機能が深くかかわっていることが最近の研究でわかりました。歩く速さが遅くなる、歩幅が狭い、ふらつく。こうしたネットワークの乱れを改善することが認知症の予防にもつながると▼いまや日本の認知症患者は軽度の障害を含めると800万人を超え、10年後には1千万人を突破。高齢者の3人に1人はかかるといわれ、急速なペースで増え続ける認知症への対応は避けて通れません▼認知症の男性(91)が徘徊(はいかい)中に列車にはねられた事故をめぐり、最高裁は家族に賠償責任はないとする判決を出しました。認知症患者を家族とともに社会全体でどう支えていくか。介護のあり方に大きな一石を投じました▼『社会とともに歩む認知症の本』の著者で医師の宮澤由美さんは、人が尊厳を保てる成熟した社会をつくろうと呼びかけます。医療や介護の抑制ばかりを進める政治を変えようとも。脳内だけでなく、社会や地域のネットワークを生かす。だれもが笑顔で生活できる“支えの輪”です。


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