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2016年2月8日(月)

NHK日曜討論 小池政策委員長の発言

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 日本共産党の小池晃政策委員長は7日のNHK番組「日曜討論」で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」や新年度予算案について、各党の経済政策担当者と議論しました。


甘利疑惑

国会できちっと説明する必要ある

 番組では冒頭、甘利明・前経済再生相の口利き疑惑をめぐり議論となり、自民党の新藤義孝政調会長代理は「国民におわびしなければならない」としながら、「それはそれとして国政運営、経済に影響があってはならない」と語りました。公明党の上田勇政調会長代理は「(甘利氏が)説明責任を果たすと言っている。疑惑の払拭を期待する」と語りました。小池氏は次のように語りました。

 小池 最大の疑惑は、現職大臣が口利きをやって、見返りに現金をもらったという疑惑です。甘利さんは現金を受け取ったことは認めている。それからUR(都市再生機構)側とトラブルがあるということを業者から説明を聞いている。(甘利氏側は)URと12回接触し、「少し色を付けてくれ」とか「事務所の顔をたててくれ」と(言っている)。これが口利きではなくて一体何なのか。

 首相が任命責任を果たすというのであれば、疑惑解明の先頭に立たなければいけないと思いますが、今はそうなっていない。その姿勢はただしていきたい。それから甘利さんに説明責任があると公明党さんもおっしゃった。これは関係者も含めて、国会に招致して、きちっと説明しなければいけない。

 やはり根源にあるのは企業・団体献金の問題なので、企業にパーティー券を買わせることを禁止することも含めてきちんと法制化する(ことが必要です)。わが党の法案は今、継続審議になっていますから、ぜひこれを審議したいと思います。

「マイナス金利」導入

経済政策の根本からの切り替えを

 次に、日本銀行が新たな金融緩和策として「マイナス金利」を導入したことについて議論となり、自民・新藤氏は「各銀行が使い道のないお金を日銀に預けるのではなく投資に回してくださいという、(日銀の意志の)強い現れだ」と述べました。小池氏は指摘しました。

 小池 新藤さんが、投資に回るための政策なんだとおっしゃったけれど、市中に資金が回ることを期待したんだと思うんですが、問題は市中に需要がないことです。実質賃金が下がり、年金は目減りし、家計消費が落ち込んでいる。消費税増税の影響はいまだに深刻な打撃になっているわけです。そういう時に金融政策だけで日本経済が改善するわけないし、その根本である国民の所得、消費を増やす、貧困と格差をなくしていくという政策がなければ絶対うまくいくわけない。

 “デフレから脱却しつつある”と安倍さんは何度も言っていたけれども、「アベノミクス」が行き詰まっていることの象徴がマイナス金利政策ではないかなと(思います)。「苦肉の奇策」と書いた新聞がありますけど、まさにその通りで、株価が上がることを期待してやったんでしょうが、株価も下がったわけですから、これは失敗だということをはっきり認めるべきです。経済政策を根本から切り替えるということが、今、必要になっていると思います。

新年度予算案

好循環どころか悪循環でしかない

 新年度予算案についての議論へと進み、野党からは「家計が良くなれば経済が良くなるという文脈で経済政策を立て直すべきだ」(民主・大塚氏)などの声が相次ぎました。自民・新藤氏は、「大企業の内部留保が膨らんでいる」こと、「賃金を上げないと可処分所得が上がらず消費は上がらない」ことを認めました。同時に予算案は「成長で増えた税収を分配することで、福祉や教育にお金がいく。好循環をつくろうとしている」と語りました。小池氏は反論しました。

 小池 私は、分配の仕方が間違っているというふうに思います。新藤さんは、(大企業の)内部留保が積み上がっている問題点を認め、(国民の)可処分所得を増やさなければいけないと認めているにもかかわらず、今まで3兆円もの企業減税をやってきて、これからさらに1兆円もの法人税減税を上乗せする。一方で、消費税を増税すると(言う)。これはやはり矛盾じゃないですか。(新藤氏が)言われていることに逆行するような政策じゃないですか。

 社会保障費だって、高齢化によって当然増えていく自然増を1700億円も抑制する。文教予算も中小企業予算も対前年比マイナス予算になっている。軍事費だけは700億円増やし、当初予算で5兆円以上です。新藤さんがおっしゃったような問題点、企業収益は増えているけれど、消費は伸びていない、所得は減っているという、ここを立て直すための予算に全くなっていない。悪循環の予算でしかないじゃないですか。おっしゃっていることと予算の中身が矛盾している。

奨学金問題

給付制にただちに踏み切るべきだ

 続いて、安倍政権が掲げる子育て支援策や「介護離職ゼロ」に関して議論となりました。小池氏は、奨学金問題について次のように主張しました。

 小池 奨学金というのは、貧しい家庭に生まれた子どもがきちんと教育を受けられるための、貧困を解決し、権利を保障するための制度です。それが貧困を加速するような制度になっている。卒業した時に、返さないといけない奨学金。しかも大半が利子つきです。300万〜500万円の借金を背負って社会人スタートする。これはまずいですよ。ただちに解決しないといけない。

 給付制の奨学金について安倍さんは、導入するにはさらに検討が必要だということを繰りかえすわけで、これはやりませんと言っているのに等しい答弁です。これではダメで、来年度予算でただちに給付制の奨学金に踏み切る。有利子のものは全部無利子にする。返済の免除制度もつくる。抜本的な改革をやるべきです。これは日本の教育を立て直すうえにも、貧困と格差の連鎖を断ち切るためにもどうしても必要な課題だと思います。

子育て政策の充実

最大のエンジン、家計を温めてこそ

 野党側から子育て支援策の充実を求める声が相次ぐなかで、自民・新藤氏は「それ(国民への分配)を可能にするのは、日本全体の経済のパイを大きくすること」などと発言。小池氏は次のように迫りました。

 小池 成長と分配は、二律背反じゃないんです。家計が日本経済の最大のエンジンなわけです。そこを温めるということをしなければ持続的な成長なんてありえないし、企業収益は過去最高だけれども、実質賃金が減っている。この構造を変えないことには日本の経済は立ち直れない。だから今、再分配が必要な時期なんです。トリクルダウンではダメで、政治の責任で再分配するようになっていないのが問題だと言っているのです。

介護政策

「離職倍増」政策を見直すことから

 小池氏は、介護政策に関して「介護職の処遇改善をやるのは当然だ」と述べる自民・新藤氏に対して、次のように指摘しました。

 小池 新藤さんは処遇改善が必要だっておっしゃったけど、じゃあ、なぜ去年、介護報酬の史上最大の引き下げをやったのか。加算をつけたとおっしゃるかもしれないけども現実には4割も倒産が増えた。それで、介護報酬の削減で国費1130億円削減した。一方で、今度の介護離職ゼロ予算460億円。これではダメです。

 しかも100万人を超える要支援者が介護保険の在宅サービスを受けられないようにした。今、検討しているのは180万人近い要介護1・2の人から調理とか買い物などの生活援助サービスを取り上げようという検討を始めている。特養ホームの入所は要介護3以上に限定した。利用料負担も引きあげた。実際にやっていることは、在宅でも施設でも家族の負担を増やすようなことで、「介護離職ゼロ」どころか、「介護離職倍増」の政策をとっている。これを見直すことからはじめなければ、いくら「ゼロ」って言ったって、全く絵に描いた餅だと思います。


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