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2016年2月6日(土)

きょうの潮流

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 「君はこのごろ平和についてどう考えている?」。そう妻に問いかけ、語り合った最期の時間。昨年亡くなった憲法学者の奥平康弘さんは命尽きるまで憲法と平和について思索していました▼戦前生まれの奥平さんは、社会の大転換のなかに身を置いてきました。「ぽっかりといろんなところに窓が開き、閉ざされていた社会に輝かしい光が当てられた。それは、九条であったり、基本的人権であったり…」▼新しい息吹をもたらした憲法を自分のものとしてきた生涯。九条の会の呼びかけ人でもあった研究者は、それを変えようとする動きを痛烈に批判しました。込められた魂、よるべき思想、追求すべき理念がない、と▼あの悲惨な時代に二度と戻ってはならない。国民の固い誓いを堅持した九条は、いかなる名目の戦争(武力の行使)もしないという1項、そのために軍隊や戦力を持たないという2項から成り立ちます。「1項と2項があって初めて平和主義の魂は発露する」(奥平さん)▼自民党政府はこれまで2項について解釈をねじ曲げてきました。いま安倍首相も盛んに改定を口にしています。「自衛」の名のもとに国防軍を設けようとして▼アベコベなのはその理由。憲法学者の多くが自衛隊を憲法違反と指摘しているからだと。それを言うなら、ほとんどの憲法学者が違憲と反対する戦争法こそなくすべきでは。都合よく持ち出されては、戦後の民主主義や文化を形づくってきた憲法に誠意と熱意をこめてきた人たちにも失礼です。


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