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2016年2月2日(火)

主張

甘利氏の金銭授受

口利き疑惑あいまいにできぬ

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 甘利明経済再生担当相が千葉県内の建設会社から大臣室や地元事務所で総額100万円の現金を受け取っていた問題などで、甘利氏は先週閣僚を辞任、今後の国会などでの追及が焦点になっています。甘利氏は自身と秘書の金銭授受の一部を認めただけで、都市再生機構(UR)とのトラブル解決の口利きについては認めていません。甘利氏の閣僚としての任免権者である安倍晋三首相は甘利氏が説明責任を果たしているようにいいますが、閣僚の辞任だけでとても落着とはいえません。甘利氏自身の国会招致・喚問を含め、疑惑の徹底解明が不可欠です。

圧倒的多数が説明不足と

 甘利氏の「説明は不十分だ」67%(「毎日」1日付)、甘利氏は今後も説明責任を「果たすべきだ」71%(「読売」同)―週明けの新聞各紙が報じた世論調査の結果です。圧倒的多数の国民が甘利氏の説明だけでは満足しておらず、徹底した真相究明を求めています。

 『週刊文春』が最初に報じ、国会でも追及されてきた甘利氏にかかわる疑惑は、建設会社(S興業)がURとの道路建設などのトラブルを解決するため甘利氏の事務所に頼り、URが2億円を超す賠償を支払うことで解決した後、秘書に500万円の現金などを渡し、甘利氏本人にも大臣室で菓子箱といっしょに50万円渡したというものです。その後も廃棄物処理をめぐる別のトラブルが発生したため、建設会社は再び甘利事務所を頼り、秘書に現金を渡したり接待したりするとともに、甘利氏自身にも地元事務所でトラブルを説明し公設秘書に伝えてもらうなどして、50万円渡したというものです。秘書はURの担当者とたびたび面談、監督官庁の国土交通省局長にも働きかけたといわれます。

 あっせん利得処罰法は、国会議員や秘書が、国や国が出資する団体の職員に、請託を受けて影響力を行使し、職務上の行為をするよう働きかけた報酬として財産上の利益を得たときは「3年以下」(議員)あるいは「2年以下」(秘書)の懲役に処すると定めています。甘利氏の疑惑は閣僚としてだけでなく、国会議員の資格にかかわる重大なものです。

 甘利氏は、合計100万円の現金授受は認め政治資金として処理したことや、秘書に渡された500万円のうち200万円は政治資金として処理したが、残り300万円は秘書が費消したとのべました。しかし、認めたのはごく一部で、肝心のあっせんの事実は認めておらず、「調査中」などとあいまいにしたままです。廃棄物処理をめぐるトラブルの資料を自ら公設秘書に届けさせた目的も不明です。甘利氏自身や秘書、建設会社の関係者などを国会に呼んで、全容解明が不可欠です。

疑惑解明に無責任な首相

 重大なのは、甘利氏を重要閣僚に起用した安倍首相が、甘利氏の「説明責任」を口にするだけで自ら疑惑解明に動かず、甘利氏が閣僚を辞任した後も、解明に極めて消極的であることです。これではまさに、甘利氏とグルになって、重大なあっせん利得の疑惑を闇から闇に葬り去ろうとするのかといわれることになります。

 疑惑解明は政治の信頼回復の最優先課題です。安倍首相は甘利氏の疑惑に口を拭うのではなく、解明に積極姿勢を示すべきです。


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