「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年12月21日(月)

普天間基地 1%未満返還

宜野湾市長選へ「負担軽減」アピール

市民「日米の買収工作」

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

地図:米軍普天間基地東端部の返還予定地

 日米両政府が4日に発表した在沖縄米軍基地一部返還のうち、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の東側4ヘクタールについて、17日から関連工事が始まりました。宜野湾市長選(来年1月24日投票)に向けて、辺野古新基地推進派の現職を後押しするための露骨な「負担軽減」アピールです。しかし、返還面積は同基地481ヘクタールの1%未満。しかも、共同発表文は辺野古新基地の推進を前提にしています。「対価」としては安すぎます。

■突然の転換

 防衛省の計画によれば、基地の外周道路を内側に移転し、市道を通す計画です。普天間基地沿いを通る国道330号の渋滞緩和につながります。この計画自体は宜野湾市が要望し、1990年6月の日米合同委員会で返還が確認されました。市は土地の返還を実現するため、地権者と粘り強く交渉。3年前まで市の基地政策部長を務めていた山内繁雄さんは、「95%以上まで同意を得られていた」と証言します。

 しかし、沖縄防衛局は「地権者100%の同意」を条件に突きつけ、今日まで実現しませんでした。その背景には、返還を渋る米軍の意向がありました。

 それが、市長選直前のタイミングで、しかも菅義偉官房長官とケネディ駐日米大使による共同記者会見という、大々的な形式での発表です。山内さんは「基地問題を選挙に利用しようとしている。日米両政府による市民の買収工作そのものだ」と憤ります。「こんな姑息(こそく)な手段をとるより、一日も早く普天間基地の閉鎖・撤去を進めるべきだ」

■宣伝材料に

 現職陣営はさっそく、地域懇談会などで土地の返還を「市長の成果」などと大々的にアピールしています。しかし、肝心の普天間基地については返還の道筋を全く示さず、跡地へのディズニーランド誘致に言及し、自民党県連にも困惑が広がりました。

 そもそも、今回の一部返還合意された土地は、県全体でもわずか7ヘクタール。在沖縄基地面積の0・03%です。この程度の返還を大々的にアピールすること自体、日米両政府が新基地建設反対の民意に追い詰められている証拠です。(竹下岳)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって