2015年12月20日(日)

不合理な社会、変えられる

不破前議長、大いに語る

ニコニコ生放送番組「戦後７０年を斬る　政界レジェンド伝言」

　日本共産党前議長で党社会科学研究所長の不破哲三氏が１８日放送のニコニコ生放送番組「戦後７０年を斬る　政界レジェンド伝言」（日刊スポーツとの共同企画）に出演し、政治評論家の角谷浩一氏、日刊スポーツの中山知子記者の問いに答えつつ、戦後政治と今後の変革について大いに語りました。

（写真）ニコニコ生放送の戦後70年インタビュー企画で質問にこたえる不破哲三前議長

国民の声を聞かぬ党に

　角谷氏から「戦後７０年の総括を」と問われた不破氏は、かつての自民党は支持率も高かった一方で、野党から間違いを指摘されれば、意見に耳を傾け自ら引くことのできる「のりしろ」があったと強調。金権腐敗で支持を失い、小選挙区制や政党助成金のもとで自民党が劣化した実態を明らかにしました。

　その上で、自民党は「非常に危機的な領域に足を踏み出している」と指摘。１９９０年代に「河野談話」や「村山談話」に危機感をもって多くの右翼がはせ参じ、そのうちの一人だった安倍晋三首相のもとで自民党が「一強」となり、野党や国民の声を聞かない暴走を始め、「自民党が結党以来６０年間守ってきた憲法解釈をひっくり返し、戦争法（安保法制）に足を踏み出した」と述べました。

　不破氏は、今年の通常国会では、戦争法反対で５野党などが一致してたたかい、これまでは政治に声を上げなかった学生や女性たちが街頭に出たことも示し、「このとんでもない悪法（戦争法）をなくそう、立憲主義を復権させようという大きな流れに政治がどう応えるかで、それぞれの政党の今後の消長が決まってくる」との見方を示しました。

統治機構に亀裂生じる

　角谷氏から、安倍政権の特質を問われた不破氏は、「政治が実に荒くなっている。だいたい、中心に立っている人が自己陶酔型だ」と強調。安倍首相が「完全にコントロールされている」と語った原発汚染水問題や「誰も見たことのないような新しいスタジアム」をつくると約束して混乱した新国立競技場問題、失敗が明らかになった「アベノミクス」や「３本の矢」、不達や漏えいが相次ぐマイナンバー制度などに言及。誤りを検証せず目新しい政策を乱発し失敗を繰り返している実態に対し、「統治機構に亀裂が生じている」と述べました。

勇気もって未来開こう

　若い世代へのメッセージとして不破氏は、同じ３００万円の年収でも欧州諸国と日本では生活水準に大きな格差があるとした最近のテレビ番組を紹介しつつ、「いまの不合理な社会が当たり前だと思ってあきらめないことだ」と強調。「自分たちの力で社会の不合理さは変えられるという確信、自信を持って、勇気を持って未来を開く活動をしてほしい。これが私の願いです」と訴えました。