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2015年12月19日(土)

きょうの潮流

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 来年のえとはさる。猿まね、猿知恵、猿芝居と彼らの高い知能を見下すのは人間のおごりでしょう▼とは思いつつ、消費税の「軽減税率」や高齢者への「給付金」では「朝三暮四」の話が浮かびます。飼い主がトチの実を朝三つ、夕方四つ与えると猿に言ったところ不平を唱えたので、朝四つ、夕方三つにすると言ったら喜んだ。「荘子」に出てきます▼消費税率を10%に引き上げる大増税なのに「軽減」。食料品の消費税率を8%に据え置くだけです。減収の穴埋めに「低所得者対策」の取りやめが検討されています。政府が給付金を配ろうとしているのは来年の参院選前後。その後、消費税の再増税を強行します▼選挙目当てにしても、あまりに見え透いています。簡単に人をだませると考えているのか。私たちは「朝三暮四」の猿ではありません。国民をさげすめば報いを受けるでしょう▼猿は本来、情の深い動物とされてきました。「断腸の思い」という言葉があります。子を人間に奪われた母猿が悲嘆するあまり、はらわたがちぎれて死んだという中国の故事から来ました。「両岸の猿声啼(な)いて尽きざるに」(李白)。詩人は猿の鳴き声に自らの悲しみを投影しました▼たたかう猿もいます。奈良の新薬師寺などで薬師如来を守る十二神将は十二支の神。さるの安底羅(あんてら)大将は観音菩薩の化身とされます。民衆の救済に駆けつけます。目を見開いて邪悪な者をにらみつけ、薬つぼを持つ如来を守る神将の姿に、今なすべきことを教えられます。


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