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2015年11月24日(火)

きょうの潮流

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 「第二の成人式T・N・G55(てんごゴーゴー)」。石川・能登半島の中央にある穴水町で一風変わった集まりがありました▼町の出身や在住の55歳を対象に、定年を5年後に控えた転換期に今後の人生を考えてもらおうという趣旨で開いたもの。「T・N・G55」は、定年後や奥能登の方言でいたずらを指す「てんご」にちなみました。5回目となる今年は80人以上が参加したと地元紙が伝えています▼先の連続テレビ小説「まれ」でもよく耳にしましたが、この地域で話す方言は「能登弁」といわれます。たとえば「だら」。関東でいう「ばか」、関西の「あほ」の意味です▼同様の意味で使われる方言は全国に多々あります。「はんかくさい」「ほんじなし」「だぼ」「たわけ」「ほーけ」「とろい」「ぬくい」「ふりむん」…。多様さとともに、別々の地方で同じ言い方をしている場合も少なくありません(『滅びゆく日本の方言』)▼著者で方言研究者の佐藤亮一さんは「民衆が生み出したことばの海の豊かさ」が方言にはあるといいます。共通語の波におされて消えゆく方言がある一方で、見直され、新しく生まれる方言も。生活の中のことばである方言が生き続けることが、地域社会を守ることにもなると▼いま能登では空き家の増加が深刻です。冒頭の集いもふるさとに帰ってきてとの願いから。長年地方を置き去りにしてきた政治の反映です。日本の豊かな伝統や文化を失わせないためにも、そこで生きる人びとの生活に光を当てなければ。


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