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2015年11月22日(日)

「九条の会」に対抗 改憲「国民運動」化

全都道府県に組織 危ない“実績”

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 右翼改憲派が最近、大規模な集会を開きました。「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(共同代表・ジャーナリストの櫻井よしこ氏ら)が東京都千代田区の日本武道館で開いた「今こそ憲法改正を!1万人大会」(10日)です。「九条の会」に対抗する、きなくさい動きが広がっています。

 (竹腰将弘)


署名・映画製作も

 「新憲法制定」を呼号する「日本会議」主導の集会に、安倍晋三首相は「自民党総裁」の肩書でビデオメッセージを寄せました。もはや憲法擁護義務などどこ吹く風です。

 メッセージは「21世紀にふさわしい憲法を追求する時期にきている」としたうえ、「第1次安倍政権で国民投票法が制定され、第2次安倍政権で宿題とされていた投票年齢の18歳への引き下げが実現した。憲法改正に向け渡っていく橋は整備された」とみずからの“実績”を誇示。「憲法改正へ、共に、着実に、歩みを進めていきましょう」と呼びかけました。

「成果」を報告

 主催した「国民の会」は昨年10月、日本会議、神道政治連盟、改憲派の個人を糾合して結成されました。集会への動員を担ったのも、各都道府県の神社庁、遺族会などです。

 注目されるのは、「全国代表者会議」の下に各都道府県の「県民の会」が組織され、「国民運動推進団体」としての体裁が整えられていることです。

 集会では、「会」結成から1年の「国民運動の成果」として(1)全国47都道府県すべてでの「県民の会」結成(2)31都府県議会での改憲決議(3)改憲賛同の国会議員署名422人(4)改憲賛同国民署名445万人余―が、誇らしく報告されました。

 さらに、『永遠の0』の百田尚樹氏総指揮によるドキュメンタリー映画「今こそ日本国憲法を改正しよう(仮題)」を年内に完成させ、全国的な上映運動を展開するなど、いっそうの運動拡大を狙っています。

 思い起こされるのは、第1次安倍政権当時の憲法をめぐる国民世論と改憲派の激しいせめぎ合いです。

 憲法をめぐるキナ臭い動きが極限に達した当時、読売新聞の世論調査(2008年4月8日付)で、1993年以来15年ぶりに改憲「反対」が「賛成」を上回りました。世論の流れの大きな転換点となったのは2004年の「九条の会」結成でした。

「一頓挫」受け

 安倍氏の政権投げ出しによる改憲運動の「一頓挫」を受けた08年3月の新憲法制定議員同盟の総会で、愛知和男・同同盟幹事長=当時=は「われわれと正反対の勢力、『九条の会』と称する勢力が、全国に細かく組織づくりができておりまして、それに対抗していくには、こちらも地方に拠点をつくっていかねばなりません。そこが今後の活動の大きな焦点になる」と、九条の会への対抗意識をむき出しにした「国民運動」志向が表明されました。

 この「運動」はながらく低調でしたが、第2次安倍政権登場後、各種保守団体にベルトがかかり始め、それなりの到達となっているとみるべきかもしれません。

 一内閣の解釈変更で、集団的自衛権行使容認という憲法破壊の行動をとった安倍首相が明文改憲を目指すというのは、大いなる矛盾です。当面の国民のたたかいの焦点は、立憲主義と民主主義を取り戻し、反立憲主義と独裁の政治にストップをかけることにあります。

 安倍政権の暴走の行く手は明文による憲法破壊にまで向かっていることを見すえ、戦争法廃止を実現する政府の樹立に向け、世論と運動をいっそう大きく広げていくことが求められています。


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