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2015年11月21日(土)

きょうの潮流

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 山に遊びにきた3人の男の子が、もっと仲良しになろうと、それぞれに国の名前を付けて同盟しようといいだします。そして、仲間を増やして世界同盟をやろうと皆に声をかけます▼いじわるも、いばりっこもなし。対等につきあい、同じ権利で参加できる同盟です。八百屋の小僧だった三吉は「みんなと同じお友だちになれたこと」がうれしい。戦前の児童雑誌に発表された北川千代の童話「世界同盟」です▼掲載時に削られましたが、1人ずつに付けた国名に千代は「朝鮮」を登場させます。当時、石川啄木が「地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつゝ 秋風を聴く」と詠んだように朝鮮は日本の植民地でした▼「啄木のさびしさに寄り添う心情と差別のない社会・国際社会を求めた『世界同盟』の理想主義との合一」。昨年亡くなった児童文学者の古田足(たる)日(ひ)さんが紹介しています。日常にある差別や偏見を見過ごさないで、との呼びかけです▼「嫌なやつ(18782)と嫌なやつ(18782)を足すと、皆殺し(37564)になる」。小学校の算数で教諭がこんな語呂合わせをしていたことが問題になっています。本人は反省していますが、及ぶ影響への無神経さが怖い▼「君たちに憎しみという贈り物はあげない」。パリのテロで妻を亡くした仏人ジャーナリストが犯人に向けてつづったSNSが共感を広げています。幼い息子に憎しみを抱かず世界に目を見開いて生きてほしい、と。古田さんが胸に刻んでいた「平和を素手で守り得る人間をつくる」ことに通じる願いです。


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