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2015年11月7日(土)

大阪の新しい扉開くたたかいに

記者座談会 ダブル選挙

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 「オール大阪」の共同の力で、橋下「維新」政治に終わりを告げ、新しい大阪を築くかどうか―府知事・大阪市長ダブル選(22日投票)の様相を、担当記者で話し合いました。


共同恐れる橋下「維新」

住民要求実現する政治へ道

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(写真)訴える、くりはら貴子大阪府知事候補と柳本あきら大阪市長候補(右端)=5日、大阪市北区

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(写真)山下芳生書記局長の訴えを聞く人たち=3日、大阪市中央区

  5日告示の知事選も8日告示の大阪市長選も、「大阪維新」と「反大阪維新」の府民共同という対決構図になったね。

  知事選では、現職の松井一郎候補(大阪維新の会幹事長)を無所属の、くりはら貴子候補が激しく追い上げている。大阪市長選は、橋下徹市長(大阪維新の会代表)の後継、吉村洋文候補と無所属の柳本あきら候補の激しいつばぜり合いとなっている。

  自民党推薦の両候補とも「大阪の維新政治を終わらせる」という姿勢は鮮明だ。両候補を自主的支援する日本共産党の山下芳生書記局長は「自民党が好きとか嫌いとか、共産党が好きとか嫌いとか言っている場合ではない。橋下『維新』の政治はそれほど危ない政治です」と明快だ。

  大阪市廃止・解体の是非をめぐる5月の住民投票で広がった共同が再現されている。否決されたのに、また大阪維新がダブル選の争点に持ち出したからね。

分断攻撃も

  大阪維新は、この「オール大阪」の共同がよほどこわいようだ。松井知事は「一番頑張っているのは共産党」「子どもを戦場に送るな、命を守ろう、安保法(戦争法)案反対と言っていた共産党が大阪では自民党と組んでいる」と共同に分断を持ち込むのに躍起だ。「僕たちがやっているのは(行財政『改革』で)、子どもの命のような、そんな重大なことをやっているわけではない」と言ってのけた。

  とんでもない話だ。大阪維新が「改革」と称してやってきたのは、救命救急センターの補助廃止、住吉市民病院の廃止決定など命や暮らしにかかわることばかり。大阪市解体にも執念を燃やす。だから、大阪では「大阪市をつぶすな」「命と暮らしを守れ」の声が広がり、「大阪の維新政治退場」の一点で立場の違いを超えた共同が発展している。

異論を封殺

  民主主義の問題も大きい。SADL(民主主義と生活を守る有志)の街頭演説で「民主主義ってなんだ」「これだ」に続いて「独裁ってなんだ」「(大阪)維新だ」のコールが起きた。SEALDs KANSAI(シールズ関西=自由と民主主義のための関西学生緊急行動)の街宣アピールでも「大阪から、自由と民主主義の尊重された社会づくりを始めましょう」と訴えた。

  山下書記局長の「議論できることが大事。意見の違う者を排除するのが橋下『維新』政治。民主主義の土台を破壊する独裁政治です」という街頭での訴えに大きな共感の拍手が起きたね。

  多くの人の実感だろうね。「日本の政治のなかで一番重要なのは独裁」と公言してはばからない橋下氏は、自分に歯向かう者は容赦なくつぶそうとする。大阪府知事になっても大阪市が従わないので、大阪市長に転身し、大阪市そのものをつぶしにかかる。大阪市議会もいらない。「大阪都(府)」で「一人の指揮官(知事)」の下、やりたい放題の独裁体制を築くのが狙いだ。

  大阪維新の候補は、「都」構想への再挑戦を主張。周辺自治体も巻き込んで「ひとつの都市」にすると強調し始めた。これに、柳本候補は「(意見の違いは)話し合いでしか解決する方法はない」とピシャリ。「『オール大阪』で大阪の民主主義を取り戻すたたかい」と訴えている。

  冨田宏治関西学院大学教授は、橋下「維新」政治を「ブラックデモクラシー」と「改革詐欺」と特徴付ける。言論弾圧などで異論を封殺する。「思想調査」までやる。「改革」と称して市民サービスや民意を切り捨てる。府では7年間で1551億円も暮らし・福祉予算を減らしたのに、借金残高は増えた。消費を冷やし、物が売れなくなり、税収が減るという悪循環だ。

正常に戻す

  大阪から維新政治を退場させたら、大阪の未来にどういう展望が開かれるかも、だんだん見えてきたね。

  住民の声に耳を傾ける姿勢が、くりはら知事候補にも柳本候補にもはっきりある。両候補の政策・主張には、中小企業支援、子育て支援、行き届いた教育、敬老パスの負担軽減など府市民の願いにそったものが多い。何よりも、大阪市を存続させることを前提に施策を考え、府内市町村、関西他府県との連携を図ろうとしている。運動しだいで住民の切実な要求が実現する府・市政の扉が開かれる。

  大阪維新のポスターもビラも橋下氏の大きな顔写真を掲載。スローガンは「過去に戻すか、前に進めるか」だが、不毛な対立と混乱を持ち込んだ大阪の維新政治から正常に戻すたたかいだ。

  ダブル選の結果は国政にも影響する。「政界引退」表明をしたはずの橋下氏は、国政政党「おおさか維新の会」を結党させた。「憲法改正」を公然と掲げる同党の野望を打ち砕く上でも、大阪ダブル選の全国的意義は大きいね。


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