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2015年11月4日(水)

きょうの潮流

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 「朝日訴訟」の前夜のよう―。空前の軍拡の一方で、次々と後退していく社会保障。ひろがる格差や不平等、弱者への攻撃。安倍政権がつくった今の社会状況を、「人間裁判」の継承者、朝日健二さんは憂いていました▼重い結核患者だった朝日茂さんが「人間らしく生きたい」と、1957年に生活保護の引き上げを国に求めた朝日訴訟。当時、日用品費はわずか月600円。背景には、再軍備で膨らむ軍事費のために政府が社会保障の予算を削ったことがありました▼〈病める身を養うに足らぬ給食にて/今日も死にたり一人の療友(とも)は〉。食べものも着るものもなく、ボロ雑巾のように死んでいった療友たち。朝日さんは、健康で文化的な最低限度の生活を保障する、憲法25条の生存権に反すると立ち上がりました▼一審で画期的な勝訴判決をえて最高裁につづいた裁判は、茂さん亡き後、養子になった健二さんが受け継ぎました。各地を回り支援を訴え、署名をはじめ、草の根の力で壮大な国民運動に▼社会保障運動の原点といわれる人間裁判。それは今に引き継がれ、先の「25条大集会」では生活保護制度が始まって以来最大規模の参加で生存権をアピールしました▼「もう一度、朝日訴訟のようにたたかおう、私も命ある限りがんばる」。いつも周りを励ましていた健二さん。茂さんとともに、日本共産党員として人間らしく生きられる社会の実現を願いながら、80歳の生涯を閉じました。権利はたたかう者の手にある、と呼びかけながら。


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