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2015年10月21日(水)

臨時国会 野党が要求

書記局長・幹事長会談 自民党は難色

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(写真)7党1会派の与野党書記局長・幹事長会談。右から2人目は山下芳生書記局長=20日、国会内

 与野党の書記局長・幹事長会談が20日、国会内で開かれ、日本共産党など野党側は臨時国会を直ちに開くよう要求しました。自民党の谷垣禎一幹事長は「外交日程もあり、タイトである(立て込んでいる)ことも事実」だと述べた上で、「要請の件は前向きに(首相)官邸に伝えたい」と答えました。

 会談で野党側は、交渉内容が明らかにされないまま閣僚会合で「大筋合意」に至った環太平洋連携協定(TPP)交渉の問題や、安保法制(戦争法)、沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古埋め立て承認取り消しに対する政府の対応、原発再稼働、国会同意人事問題や改造内閣の所信聴取などの課題が山積していると指摘しました。日本共産党の山下芳生書記局長と民主党の枝野幸男幹事長は、外交日程は臨時国会と矛盾せず、開会しない理由にはならないと主張しました。

 これに対して谷垣氏も、野党が示した課題はいずれも「国会で審議すべきものだと理解できる」と認めました。

 野党側は、前向きの回答がない場合、衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば臨時国会を召集しなければならないとする憲法53条にもとづく召集要求を21日にも出すことも考えていることを伝えました。

 山下氏は「通したい法案があるときには95日間も通常国会の会期を延長しながら、国民の立場から明らかにすべき問題が山積・累積しているのに、それに背を向けるのは国会のあり方として許されない」と主張しました。

 会談後の記者会見で山下書記局長は「数の暴力による戦争法の強行に加え、国民の政治不信を積み重ねるようなことをしていいのか。とくに政府・与党の姿勢が問われていると思います」と述べました。

 会談には野党側から共産、民主、維新、社民、生活各党の書記局長・幹事長に加え、参院会派「無所属クラブ」代表も出席しました。

国会軽視の姿勢

身勝手な逃げ 許されない

 これを国民無視の身勝手といわずに何というのか―。政府・与党が臨時国会召集を回避する姿勢を示している問題です。

 政府・与党はその理由として「安倍晋三首相の外交日程が立て込んでいる」ことを挙げています。しかし、野党側は、首相が国会にはりつくことを求めているわけではありません。「外交日程」と国会召集は矛盾するものではまったくなく、いくらでも調整できるはずです。

 何よりも政府には、国民の代表である国会に対する説明責任があります。

 安倍首相は7日に、半数の閣僚を入れ替えて第3次安倍改造内閣を発足させました。国会で速やかに首相が所信を表明し、新閣僚の所信聴取も行うことは避けて通れません。

課題山積み

 さらに国会に説明し議論すべき課題も山積しています。

 戦争法をめぐっては、強行成立後も7〜8割の国民が「説明不十分」と表明し、安倍首相自身も通常国会閉会にあたっての会見で「政府としてこれからも丁寧に説明する努力を続けていきたい」(9月25日)と約束していました。南スーダンPKO(平和維持活動)での自衛隊の任務拡大はすぐそこに差し迫っています。

 先に政府が「大筋合意」した環太平洋連携協定(TPP)は、国民生活や日本の将来に極めて重大な影響を与えるものです。しかし、秘密交渉だったため国民はもちろん、国会議員も具体的中身についてほとんど知らされてきませんでした。

 他にも、新たな局面に入った沖縄米軍新基地建設問題や、「1億総活躍社会」をスローガンにした新たな経済政策など重大課題が目白押しです。

相次ぎ批判

 政府・与党は先の通常国会で戦争法を成立させるため、戦後最長となる95日間の会期延長を行いました。自分たちが通したい法案がある時にはいくらでも国会を開きながら、一方で野党や国民の側が説明を求める課題がこれだけあるのに召集に背を向ける―。まさに身勝手であり、国民の代表である国会を無視する態度だという他ありません。

 メディアも社説で「召集見送りは立法府を軽視している」(「毎日」18日付)、「国会軽視と言われても仕方がない」(「朝日」20日付)と相次いで批判。安倍政権支持の論調の「産経」も、「『召集の必要性は感じない』と口にする政権の鈍感さにはあきれる」「国会を開けばよほど都合の悪いことがあるのか」(17日付)としました。

 安倍政権は戦争法強行で立憲主義を破壊し、独裁政治に向けて歩みを進めました。国会をなおざりにする今回の姿勢にも、その危険性が表れています。 (小泉大介)


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