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2015年10月6日(火)

緊縮・与党が過半数割れ

ポルトガル総選挙 左派政党が支持拡大

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 【パリ=島崎桂】過去4年間にわたる緊縮政策への評価が最大の争点となったポルトガル総選挙(一院制、定数230)が4日、投開票されました。緊縮推進派のコエリョ首相率いる連立与党は第1党を維持したものの、過半数議席には届かず、有権者から厳しい批判を受けました。コエリョ氏は少数与党による政権樹立の意向を表明。一方で、反緊縮を掲げる左派政党が支持を伸ばしました。

 暫定結果によると、コエリョ氏の与党・社会民主党(保守系)と連立与党・民衆党は合計約38・5%を得票し、104議席を得る見通し。132議席を獲得した2011年の前回総選挙から得票率を10ポイント以上落としました。緊縮策の緩和を掲げた最大野党・社会党(中道左派)は約32・4%を得票し、第2党にとどまりました。

 コエリョ氏は「政権を樹立する準備はできている」と表明しましたが、過半数割れとなったことで続投できるかどうかははっきりしません。ポルトガルでは軍事独裁政権を打倒した1974年の民主化以来、少数与党政権が任期を満了した前例がなく、早期の解散・総選挙を指摘する声も既に上がっています。

 債務危機に陥った同国は、社会党政権時の11年、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に総額780億ユーロ(約10兆円)の金融支援を要請しました。同年、政権交代を果たしたコエリョ政権は、支援条件として課された過酷な緊縮策を推進。▽労働時間の延長▽公務員給与の引き下げ▽付加価値税(日本の消費税に相当)増税▽公営の教育機関や病院の閉鎖▽郵便、電気、空港、医療保険の民営化―などを実施してきました。

 EU、IMFによる支援策は昨年5月に終了しましたが、緊縮策の影響により、失業率は現在も12%前後、若年層では30%前後で推移。過去4年間に数十万人が職を求め国外へ流出したほか、同国NGOの調査によると、国民の4人に1人が貧困状態にあります。

 世論調査ではここ数年、緊縮策への不満から社会党への支持率が高まっていましたが、最近になって経済成長率がプラスに転じ、失業率も減少し始めたことから、連立与党が支持を回復していました。

 ただ、緊縮策への不満は根強く、一貫して反緊縮を掲げるポルトガル共産党が8・2%、左翼ブロックが10%と支持を拡大し、合計約18%を得票。左翼ブロックは、5%ほどにとどまった前回から支持を倍増させました。


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