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2015年9月16日(水)

難民受け入れ協議 不調

東欧反発 義務化合意ならず

EU内相・法相会議

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 【パリ=島崎桂】中東やアフリカの紛争地域を逃れ、欧州に向かう移民・難民が急増している問題で、欧州連合(EU)は14日、緊急の内相・法相会議を開催、EU各国による難民16万人の受け入れ義務化を議論しました。欧州委員会の提案に、東欧諸国は反発し紛糾、合意には至りませんでした。ドイツなどはあくまで各国の難民受け入れ負担分担を主張。この中で、各国が難民規制に乗り出し、これまでの難民受け入れから後退する状況も出てきました。


 EUの欧州委員会は5月に4万人、今月9日に12万人の受け入れを提案していました。今回の会議では、4万人については、既存の合意に基づき、各国の任意の取り組みとして受け入れ開始を決めました。これまでの合計申請人数は3万2000人にとどまっています。

 12万人の追加受け入れについては、規模で大筋合意したものの、義務化についてはハンガリーやチェコ、スロバキアなどが反発。受け入れ方式は不透明なままとなりました。

 EUのアブラモプロス欧州委員(移民・内務担当)は会議後、「求めていた合意は得られなかった。大多数の加盟国は行動を起こす意欲を示したが、全加盟国ではなかった」と指摘。ドイツのデメジエール内相も、「欧州の連帯にはほど遠い状況だ」と語りました。

 会議ではこのほか、▽受け入れ国に対する難民1人あたり6000ユーロ(約81万円)の財政支援▽貧困脱却を目指す経済的移民と難民を選別する検問所の設置▽難民申請を却下された人々の本国送還の手続き強化▽―などで合意しました。

 EUは来月8、9の両日にも内相会議を開き、新たな合意を目指す予定です。

 ただ、これまで難民受け入れに前向きだった独政府は、独南部ミュンヘンに難民が殺到し、当面の受け入れが限界に達したとして、13日から国境審査を実施。隣国オーストリアも、難民が自国内に滞留することを恐れて国境審査を開始しました。トルコからギリシャ、バルカン諸国を徒歩などで移動する難民の流れが続く中で、難民の置かれた状況は悪化しています。

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