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2015年9月13日(日)

これが「女性が輝く社会」?

女性自衛官 イラク派兵150人

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 「これまでに海外派遣された女性自衛官は520人」。戦争法案を審議している参院安保法制特別委員会(8月21日)で初めて明らかにされた事実です。このうちイラク特措法に基づく派兵が約150人と最多を占めていることがわかりました(表)。防衛省が本紙の取材に回答しました。

表

海外任務拡大へ

 防衛省によれば、イラク特措法に基づく派兵以外に、「海賊対処法」に基づくソマリア沖派兵が60人に達しています。現在の派遣部隊では初めて、女性自衛官が水上任務についています。

 海上自衛隊はすでに艦船30隻に女性居住区域を設置しています。2016年度の軍事費概算要求に、イージス艦にも女性居住区域を設ける計画が盛り込まれています。

 南スーダンのPKO(国連平和維持活動)には過去最多の13人が派遣されています。

 「国際協力の分野における女性の活躍が不可欠である」。8月21日の同特別委員会で、安倍晋三首相は「女性が輝く社会づくり」と称して、女性自衛官の海外任務拡大の考えを示しました。

 なぜ、女性自衛官が必要なのか。本紙の情報公開請求に対し防衛省が開示した「防衛力の在り方検討のための委員会」の配布資料に、「防衛省における男女共同参画について」と題した資料(2013年5月)があります。

 そこで「女性自衛官活用を推進する必要性」として、防衛省は「我が国の少子高齢化が進み、隊員の募集環境が改善されない」ことをあげています。少子高齢化に伴い、男性のみでは担いきれなくなってきた自衛隊の任務を、女性にも負担させようとする思惑です。女性自衛官の現員数は近年増加傾向。同資料内には「託児施設の新設」とあり、子育て中の女性の確保と勤務継続の狙いも示されています。

深刻な性的被害

 女性自衛官が海外派兵された際に起こりうる問題について、京都女子大学の市川ひろみ教授は、米軍の女性兵士たちの事例から指摘します。「海外派兵されれば、隊員は自軍のキャンプという閉ざされた空間のなかで過ごします。いつ攻撃されるかわからず、ストレスも高まり、強姦(ごうかん)など深刻な性的被害が頻発します。イラクやアフガン戦争に派兵された米軍女性兵のうち約4割が軍隊内で性的被害に遭っているという研究もあります」

 さらに米軍女性兵士の任務について、医療活動・運搬・死体の後片付けのほかに、前線で直接戦闘を行う部隊に弾薬や食糧の供給、戦艦・戦闘機の給油をする「兵たん活動」があると指摘します。敵からの攻撃対象となりやすいものです。

 現在の紛争地は前線と後方の境がなく、市街地でも突然銃撃戦が始まり、女性兵士が応戦するケースも明らかにされています(NHK出版『母親は兵士になった』)。海外で米軍の兵たん支援を行う「戦争法案」では、女性自衛官もこうした状況におかれる可能性も考えられます。

 「戦闘支援や応戦で『自分が殺した』と精神的に自身を追いつめる」と市川氏は指摘。「母親である女性兵士の中には、帰還後に自分の子を愛せなくなり、育児放棄など虐待してしまうというケースも多くあります」と問題点を語ります。

 「女性の輝く社会づくり」と首相が美化する“女性自衛官の海外派遣拡大”ですが、大きな危険をはらんでいます。(吉本博美)


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