2015年8月22日(土)
新国立で公開討論会
“五輪後考え簡素な施設で”
2020年東京五輪の主会場となる新国立競技場の今後をテーマにした公開討論会が20日、都内で開かれ、建築家や研究者らが意見をかわしました。
16年東京五輪招致推進担当課長で順天堂大学客員教授の鈴木知幸さんは▽五輪後のスポーツ施設として考えることを優先させる▽サブトラックは移転した秩父宮ラグビー場に常設する―ことなどを提案しました。また、五輪後の民間委託については、「多様な方法があり、十分議論すべき。簡単にいわないでほしい」と批判しました。
12年ロンドン五輪馬術会場の設計監理者を務めた建築家の山崎一也さんは、同五輪の施設を「簡素だが洗練」と表現。鉄パイプを組んだだけの仮設の馬術会場を例に挙げ、建物より古い街並みをよりアピールする工夫をしていたと報告しました。
建築エコノミストの森山高至さんは「利害関係者の意見を全て聞いていたら、なかなかスタートできない」として、機能は後から付け加えられるようにして最小限の施設にすればよいと話しました。
建設費が膨れ上がって計画の見直しが決まった同競技場は、今月中に新しい整備計画が決まる予定です。