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2015年8月22日(土)

問うべきは社保庁解体

年金情報流出 第三者委の報告

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 日本年金機構の個人情報流出問題に関する厚労省の第三者委員会が出した中間報告は、大本にある原因と責任にメスを入れない極めて不十分なものであり、年金に対する信頼の回復と安心・安全の確保につながるものではありません。

 みぞうの情報流出の大本にあるのは、社会保険庁を解体して日本年金機構を発足させ、コスト削減を最優先に大規模な外部委託や非正規雇用で基幹的な業務を遂行してきたことです。流出した個人情報も外部委託に出すためのファイルでした。

 社会保険庁を解体したのは第1次安倍政権(2006〜07年)で、当時の官房長官は現在の塩崎恭久厚労相です。閣議決定した基本計画は、「外部委託によってコスト削減を行う」「記録問題への対応も外部委託や有期雇用の活用で対応」と明記しました。

 この結果、いまや経常費用のうち約3割は業務委託費であり、全職員2万1974人のうち半分以上は非正規労働者です。個人情報保護をないがしろにする体制を敷いた責任こそ問われるべきです。

 ところが報告書では、不審メールに対する「危機意識の不足」や「人的体制の不備」などをあげ、再発防止策も監督体制や教育訓練などもっぱら漏えい対策にとどまりました。公的年金は、国の責任で直接、管理・運営すべきものです。そうした体制を確立してこそ情報漏えい対策も効果を発揮できます。

 年金の個人情報は、10月に番号通知を開始する予定の共通番号(マイナンバー)制度の大きな柱です。しかし、今回の不十分な報告書で打ち出された再発防止策ひとつをとってもこれからであり、マイナンバー実施の前提が崩れていることに変わりはありません。番号通知と利用の開始は中止・撤回する以外にありません。

 ましてや施行もしていないのに、国民の預貯金や健康診断情報など民間機関が保有する個人情報にも活用を拡大する法案は、きっぱり廃案にすべきです。 (深山直人)

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