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2015年8月13日(木)

きょうの潮流

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 「地震による被害。放射能による被害。何もしてくれない行政による被害。そして、現場検証の実施も決定せず遅々として進まない裁判。私たちは4重苦を受けています」▼福島第1原発から30キロ以上離れた川俣町山木屋で山地酪農をめざしてきた夫妻は築いてきたものすべてを失いました。雑草を一本一本抜いて開墾し、30年かけて放牧に適した牛をつくり、ようやく酪農らしくなってきた矢先の原発事故でした▼人生をかけて積み上げた営みが、放射能汚染によって壊された悲しみや苦しみ、怒り。事故の翌年から本紙で続く「福島に生きる」には、いまも生業(なりわい)を奪われ、避難生活を強いられている人びとの心の葛藤がつづられています▼「人類と原発は共存できない」と先の夫妻はいいます。「福島の反省もなく、原発の再稼働など絶対に許せない」。その叫びに背を向け、川内原発が動き始めました。安全も保証されず、山積する問題を残し、国民多数の反対を押し切ったまま▼さっそく歓迎の声をあげたのは財界です。経団連の榊原会長は「大きな一歩が踏み出された」。原発ゼロの2年近く、今夏の酷暑にも暮らしは成り立ってきたのに、利権で結ばれた原子力ムラをまたも復活させようというのか▼福島から、広島・長崎から、官邸前から、全国から上がる「原発止めろ」の声。この国の将来を思う民意とかけ離れていく政権。いまだ事故のさなかにある福島から目をそむける者に、私たちの国を好き勝手にさせるわけにはいきません。


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