2015年8月5日(水)
一歩前進 重要な機会
記者団に翁長知事
沖縄県の翁長雄志知事は、4日に開いた記者会見で、記者団の質問に次のように答えました。
―政府との集中協議期間中は、第三者委員会の検証結果報告を受けての対応を中止するとの発言だったが、その期間は、取り消し・撤回の判断は凍結するということか。知事としては、この期間にどう動いていくことを期待しているか。
知事 発表しましたように8月10日から9月9日までを、集中的に協議していく期間となっております。その約1カ月間、(政府・県とも)動かないことになっておりますから、第三者委員会の検証結果報告書を受けての対応というのも行わないということになります。それから、私どもとしては、普天間飛行場を辺野古に移設するということは、不可能であるということを改めて申し上げたい。たとえば、海兵隊の抑止力の問題とか、国際情勢の状況とか、あるいは歴史的な経緯みたいなものも、そういった裏付けの話もしながら、理解をしあえるようなことがあるかないか、これから話し合われることになります。
―合意の評価をお聞きしたい。知事としては、恒久的な中断にしていきたい意向か。
知事 1カ月の中断というものが、今日までの状況を、いい形で一歩前進させるのであれば、これは重要な機会になると思います。この1カ月間が延びるか延びないかですが、まだスタートもしておりませんし、相手のあることでありますので。交渉を決裂しないということは念頭に置きながら、前向きに物事を進めてまいりますが、沖縄県の主張はしっかり主張していきたい。
―普天間の解決に向けて前進したと評価されているのでしょうか。
知事 対話の道が開けて、私たちからすると工事がストップしたということは、前進だと思っております。
―これまで見えないところで政府との協議が行われてきたという印象はぬぐえないが。
知事 密室や不透明であってはいけないと、両副知事と相談をしながら窓口をつくって、いずれにしろ議論はしなければいけませんので、そういった中で進めてきたと思っております。そういう形でやった方が、物事が前に進むのではないかということでは、良かったと思っています。
―安保法案、原発再稼働など重要課題を抱えている中で、政府には、沖縄との対立を回避したいという狙いもあると思うが。
知事 今、政府がどういうふうに考えているか分かりませんけれども、中断する重みというのは大きいと思います。またこのことは当然のことながら、ワシントンDCも無関心ではいられないと思います。