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2015年8月1日(土)

きょうの潮流

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 「おらは、避難したくねえな。ちいと長生きし過ぎたな」。102歳まで生きてきた人間を死に追い立てたのは、生まれ育ったふるさとを追われる悲しみだったのでしょう▼生を受けてから4年前まで福島県飯舘村で生活していた大久保文雄さん。東京電力福島第1原発の事故で村に避難指示が出されたことを知った翌日に命を絶ちました。遺族は「健康状態に問題はなく、原発事故が原因なのは明らか」だと東電を提訴しました▼全村避難がつづく飯舘村をはじめ、いまも11万をこえる人びとが故郷を奪われ、避難生活を送っています。内閣府の調査では東日本大震災に関連した福島の自殺者は昨年までで61人にも。その一人ひとりと遺族の胸には、絶望や原発事故への怒りが込められています▼当時の元会長ら東電の経営陣3人が刑事責任を問われ、強制起訴されることになりました。一般の市民でつくる検察審査会が2回にわたって「起訴すべきだ」と決めた事実は重い▼巨大津波が発生し、それが重大事故を招く可能性があったことは予見できた。万が一にも備えるべきなのに何ら対策を講じようとしなかった―。議決書は、安全神話に浸っていた彼らの罪をただします▼いまだ生々しい傷痕が絶えないなか、安倍政権や九州電力は10日にも川内原発を再稼働させようとしています。巨大噴火の影響や避難計画の問題点もそのままで。なにより、多くの国民が反対しているのに。新たな悲しみや絶望を生み出す責任を、いったい誰がとるのか。


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